24年前の三井ハイテックの稼ぎ頭は、売上高の8割を占めていたICリードフレームだった。しかし今期貢献するのは、ハイブリッド車やEVなど電動車向けを軸とする駆動・発電用モーターコア(モーター構成部品)。1997年にハイブリッド車向けの精密金型に参入して以来、業績が振るわない中でも続けてきた事業が、世界的な脱炭素の流れにともなう電動車へのシフトという追い風を受け、ついに最高益更新へ結びついたことになる。

2位の伯東は、半導体、電子部品の専門商社。PC、高速通信向けの半導体需要が旺盛で、第1四半期の営業利益が前年同期比で7割増と好調。会社は上期計画だけ上方修正し、通期計画は据え置いている。しかし、『会社四季報』秋号では通期業績が会社計画より上振れ、純利益は2000年3月期の最高益34億円を超える40億円になると予想している。

3位の固定抵抗器で世界シェア首位級のKOAも、第1四半期業績が期初想定を9割以上も上回って着地。会社は通期の業績予想を発表していないが、会社四季報では抵抗器の国内や中国での受注が車載向け、産機向けなどで想定以上に好調として、21年ぶりに最高益を更新すると予想。

自動車における電動車へのシフトや自動運転技術の導入は、KOAの抵抗器にとっても追い風となっている。高信頼性チップ抵抗器の市場拡大に向けて富山新工場での生産能力の拡大も予定している。

コロナによる環境変化で中古車に熱視線

また、15年ぶりで5位に入った「ガリバー」を展開するIDOM、14年ぶりで8位のバイク王&カンパニーと、いずれも中古のクルマやバイクを扱う企業が10年以上ぶりの最高益を更新する見通しだ。コロナ禍で3密を避けられることが評価され、中古車や中古バイクの人気が高まっている。

バイク王は6月30日に通期計画の上方修正をしたことで、最高益を更新する見通しとなった。株価は5月に600円台、700円台で推移していたが、この上方修正をきっかけに急騰、2カ月で倍以上になっている。

そのほか、太陽光発電所の開発・販売や再生可能エネルギー関連の電力小売りを展開するウエストホールディングス、使用済みPC基板などから銅や貴金属を回収する製錬事業や、廃棄物処理や土壌浄化など環境リサイクル事業を手がけるDOWAホールディングスという環境関連の企業が、いずれも7年ぶりの最高益更新で15位にランクイン。

DOWAHDの場合はEV化による需要増への期待が銅市況の上昇の一因となり、製錬事業の収益を押し上げている。2050年までのカーボンニュートラル実現という世界的な脱炭素への取り組みが、こうした環境関連事業にとって追い風となっていると言えるだろう。

同じく7年ぶりの15位には、セブン-イレブン向けに弁当やおにぎりなど米飯類、惣菜などを提供するわらべや日洋ホールディングスも入った。前期のコロナによる悪影響が軽減することに加えて、新商品による増収効果や、市場の変化に対応して進めてきた工場再編の効果などが、利益を押し上げる見通しだ。

さらに、今後は海外事業を成長分野と位置づけ、アメリカ・セブン-イレブンの展開にあわせて東海岸エリアへの進出とバージニア州での工場新設も計画。こうした取り組みにより、2024年2月期には純利益が今期計画の6割増となる45億円まで拡大する中期経営計画を掲げている。

最高益を毎期のように更新している企業と比べて、久しぶりに最高益を更新する企業の場合は、注目度がまだそれほど高くなく株価に好調さが織り込まれていないケースもある。久しぶり最高益ランキングの上位企業を見ていくと、意外な有望企業の発掘につながるかもしれない。