中国のレアアース業界で新たな再編が始まった。それにより、大手国有企業への事業集約がいっそう進む見通しだ。

深圳証券取引所に上場するレアアース大手の五鉱稀土(CMRE)は9月23日、親会社の中国五鉱集団がアルミ大手の中国鋁業集団(チャイナルコ)や(レアアースの大産地である)江西省の赣州市政府などとの間で、「レアアース関連資産の戦略的な再編交渉を進めている」と発表した。再編の具体案はまだ確定しておらず、政府の所管部門の認可も必要になる。

中国政府が2020年および2021年に許可したレアアースの採掘割当量を見ると、CMRE、チャイナルコ、赣州市政府傘下企業の3社だけで、中国全土で採掘を許可された(ジスプロシウムなど)重希土類の割当量の67.9%、(ネオジムやセリウムなど)軽希土類の割当量の39.1%を占める。3社のレアアース資産は中国南部に集中しており、総資産の合計額は172億5000万元(約2938億円)を超える。

資源管理や環境保護を強化する狙い

財新記者の取材によれば、上述の3社だけではなく、その他のレアアース関連企業も業界再編に向けて活発に動いている。その結果、中国のレアアース業界は最終的には「南方」と「北方」の2大企業グループに集約される見通しだ。

「レアアース関連企業が再編を進める狙いは、業界の集約度をさらに高めることにある。資源の管理、(重複投資などの)無駄の削減、環境保護、技術革新など多くのメリットがあり、レアアース業界の長期的発展にプラスだ」。中国希土学会の副秘書長を務める張安文氏は、そう評価する。

本記事は「財新」の提供記事です

中国のレアアース業界は、かつては多数の企業が乱立し、資源の過剰開発や環境破壊、過当競争によるダンピングなどの問題が深刻だった。そこで中央政府の後押しの下、2016年にかけて初回の業界再編が行われた。中国全土の鉱山の採掘権およびレアアースの精製・分離会社が国有の6大企業グループの傘下にまとめられ、現在に至っている。

(財新記者:羅国平)
※原文の配信は9月24日

著者:財新 Biz&Tech