「これから、どうしよう……。今の私には、新しい仕事を勝ち取る力も何もない気がします。人生100年時代なんて、気が遠くなるだけで……」

前田未知さん(仮名・27歳)は2年前から金融機関で派遣社員として働いています。仕事の内容は、社内イベントや研修会の準備、書類整理など。持ち前のコミュニケーション能力と機転のきいた仕事ぶりで評価は高く、社員登用試験も視野に入れて頑張ってきました。しかし、コロナ禍の中で出社日数が減り、社員になるのは現実的に難しいと感じ始めています。転職活動もしていますが、なかなかうまくいかず、不安が募ります。

「ボーナスもあったほうがいいし、不安定な派遣社員より、ちゃんとキャリアアップしていける仕事につきたいです」

ご相談を受け、筆者は「少し長い目でライフプランを考えてみませんか」とアドバイスしました。まだ20代の未知さん、これからキャリアデザインしていくことは十分可能だと思います。道を見通すことができなければ、自分で切り開いていくことだってできると思うのです。

最大168万も援助してくれる「国指定の教育訓練」

例えば、何か国家資格を取得することで、これまでのキャリアに関係なく、正社員として働く道が開けます。

「未知さんは、何か興味のある資格はありますか」と尋ねたら、以前から看護師という仕事には興味があると言います。ただ、このコロナ禍での状況を見る限り仕事はかなり大変と感じています。そして、「資格を取るには結構お金もかかりそうです」と言うのです。

そこで、資格取得に国の制度を利用できることを伝えました。

雇用保険の教育訓練給付には、「一般教育訓練」「特定一般教育訓練」のほか、中長期的なキャリア形成をサポートし、雇用の安定を図ることを目的とした「専門実践教育訓練」があります。専門学校などに通って受講し、修了した場合、要した費用が戻ってくるものです。具体的に、雇用保険に3年以上(初回利用時は2年以上)加入している人は、在職中や離職後1年以内に厚生労働大臣の指定を受けた講座の受講を開始・修了すると、受講した際に支払った費用(入学金・授業料)の最大50%(年間上限40万円)の給付を受けることができます。

さらに、受講修了後、資格を取得して1年以内に雇用される(またはすでに雇用されている)と、支払った費用の最大20%(年間上限16万円)が追加で支給されます。最大3年間で120万円、追加給付を入れると168万円(長期専門実践教育訓練は4年間でそれぞれ160万円、224万円)が受給可能です。