「フランスは日本のように運営されるべきか?」。これは、2022年4月24日に行われるフランスの大統領選挙で問われるかもしれない問題である。9月まで、フランス国民は、エマニュエル・マクロン大統領と、その挑戦者で極右政党「国民戦線」党首のマリーヌ・ルペンの対決に備えていた。

両人は、対立する陣営を代表している――エマニュエル・マクロン大統領は、フランスを自由貿易や人的交流にもっと開放することを提案する「グローバリスト」を、ルペンは、フランスの国境を強化し、移民や国際競争への対応を制限することを提案する「ナショナリスト」を率いている。

理想とする国のモデルは「日本」

マクロン大統領はなんだかんだ依然人気で優勢だが、先月から、エリック・ゼムールという『フィガロ』誌の元記者が、マリーヌ・ルペンを有力な対立候補の座から下ろし、代わってフランス社会の全面的な見直しを提案して、議論の中心に身を置いている。

フランスの共産主義者にとってソ連がモデルであったように、ゼムールのモデルはなんと日本であると最近のインタビューで彼自身が話している。

「この40年間、日本は移民を拒否してきており、結果失業率は3%程度だ。貿易黒字でもある。犯罪の少ない社会で、刑務所の収容者数は半分にすぎない。生産性も高く、ロボット化も進んでいる。これもすべては、日本が移民という安易な方法で問題を解決しなかったからだ」と説明し、記者たちを唖然とさせた。

フランスの名門「パリ政治学院」を卒業したゼムールは、『コティディアン・ド・パリ』紙などで働いた後、1996年から保守系日刊紙『フィガロ』で政治を中心にカバーしているほか、雑誌のコラムやテレビに出演するなど活躍。政治記者の経験を生かして、ジャック・シラク元大統領の評伝なども執筆している。

そんなゼムールのスタンスは、先のインタビューからわかるように、完全に「反移民」である。同氏は移民、特にイスラム系移民の受け入れ政策は、フランスのアイデンティティにとって致命的な脅威であると考えおり、移民受け入れは、メリットよりも問題点のほうがはるかに多いと主張している。