イギリスのロボット科学者であるピーター・スコット-モーガン博士は、全身の筋肉が動かなくなる難病ALSで余命2年を宣告されたこと機に、人類で初めて「AIと融合」し、サイボーグとして生きる未来を選んだ(詳しくは「人類初『AIと融合』した61歳科学者の壮絶な人生」参照)。

「これは僕にとって実地で研究を行う、またとない機会でもあるのです」

彼の挑戦を描いた自伝『NEO HUMAN ネオ・ヒューマン――究極の自由を得る未来』が、日本でも話題となっている。11月24日にはNHK「クローズアップ現代+」で「ピーター2.0 サイボーグとして生きる 脳とAI最前線」としてとりあげられ、12月2日にはテレビ朝日「アメトーーク!」の「本屋で読書芸人」でカズレーザー氏が「みんなに読んでほしい!」と紹介した。

本書の著者のピーター博士はいま、何を考え、どのように過ごしているのか。東洋経済オンラインでは3回にわたって、その肉声をインタビューでお届けする。今回はその中編。

前編:「サイボーグになって幸せです」61歳科学者の肉声

今後2年間で訪れるサイボーグの技術的ブレークスルー

――あなたの未来に大きく影響しそうなテクノロジーの進化として、どのようなものに期待していますか?

ALSが私を真っ暗な谷底へと連れ去ったのは事実です。とりわけ声を失った直後の1週間は、さすがの私も落ち込みました。

しかし同時に、最先端のテクノロジーが、私が谷底から再び這い上がる手助けをしてくれるだろうということも確信していました。ただし、目指す先はまったく違う山頂になりますが。

私が今後2年以内に起こるだろうと期待している2つの大きなブレークスルーは、いずれもAIに関連するものです。

1つめのブレークスルーは、AIが私の言いたいことを予測できるようになって、私の発話速度が劇的にスピードアップするだろうということです。

この話の画期的なポイントは、私がAIと「コラボレーション」することになるという点です。時には、本物の私が言おうとも思っていなかった言葉が発せられるでしょう。