GAFAの強さの秘密を明かし、その危険性を警告した書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は日本だけで15万部のベストセラーになり、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2019 総合第1位」「ビジネス書大賞2019 読者賞」の2冠を達成、日本にGAFAという言葉を定着させた。

来る12月3日、その著者スコット・ギャロウェイ教授の最新作『GAFA next stage 四騎士+Xの次なる支配戦略』が刊行される。本書では、コロナ禍でますます肥大化したGAFAと、この4社に匹敵する権威を持つようになる「+X」の巨大テック企業が再び、世界をどのように創り変えていくかを予言している。

いまやあらゆるビジネスが「GAFA+X」に直接、脅かされる時代に突入した。本書はすべてのビジネスパーソンに、明日の「生存戦略」を考えるヒントを提示している。

本稿では、本書を邦訳した翻訳家の渡会圭子氏に、ギャロウェイ教授がGAFA+Xを問題視する「怒りの根源」を解説してもらう。

「500人に1人が亡くなる疫病」でも株価が上がる不条理

約2年にわたる新型コロナのパンデミックも、ワクチンが行き渡ったことで、ようやく落ち着いてきた感がある。今後また感染者数が増える可能性はあるが、日本では以前のような日常生活が戻りつつある。一方で、もう元にはもどらないこともたくさんあるだろう。

この世界的なパンデミックで最大の被害を出したのはアメリカだった。

2021年11月半ば現在、アメリカにおける新型コロナによる死者は約75万人。第二次世界大戦、ベトナム戦争、朝鮮戦争の犠牲者の合計を上回る数字で、国民の500人に1人が亡くなった計算になる。

人々がパニックにおちいったのも無理はない。感染が拡大していたとき、テレビのニュースから流れていたニューヨークの悲惨な映像に戦々恐々としていたのを思い出す。

しかしその背後で、経済は一時的に落ち込んだものの、すぐに回復して株価は史上最高レベルに達した。旅行やエンターテインメントなど、事業そのものが実施不可能となった業界もあるが、GAFAをはじめとする巨大テック企業はむしろ絶好調だ。