アメリカが呼び掛けた「民主主義サミット」に参加する110カ国・地域が公表された。サミットは12月9日から2日間、オンラインで開催される。勢いを増す権威主義や独裁国家を前に、民主主義国家の結束を促すというバイデン政権の目的は理解できる。ところがこのサミットはアメリカの意気込みとは裏腹に、実はあまり評判が良くない。

しばしば引用されるデータだが、スウェーデンの調査機関V-Demによれば、2019年の世界は民主主義国・地域が87カ国なのに対し、非民主主義国は92で、18年ぶりに非民主主義国が多数派になった。その後の新型コロナウイルス問題や人権・難民問題などへの対応を見ても、民主主義が勢いを盛り返しているとは言えず、権威主義国家の代表である中国の台頭ぶりばかりが目立っている。

中国の権威主義システムは、独裁者のお手本に

議会や選挙など時間と労力を要する民主主義的な手続きを省いて、最高権力者の指示のもと短時間で国家の意思決定ができる中国的な権威主義システムは、世界の独裁者にとって1つのモデルであることは間違いない。さらに最新のデジタル技術などを駆使して国内の反体制運動などを抑え込んでしまう中国流の監視社会が、彼らにとっては魅力的である。

中国はこうした統治システムの下で世界第2位の経済大国に成長し、今や軍事的にもアメリカの足元を脅かすような存在となった。独裁的国家の指導者が民主主義ではなく中国流権威主義を取り入れようとする流れが出てきてもおかしくない。