EC市場の急拡大によって、物流現場の人材不足・高齢化の深刻度は増しており、このままでは日本の産業界に大きなダメージを与えることは必至だ。しかし、こうした危機にあるときは「旧態依然とした日本の物流を抜本改革するチャンスでもある」と、コンサルティング大手アクセンチュアの北川寛樹氏は言う。

では具体的にどうすればよいのか。新著『テクノロジー×プラットフォームで実現する 物流DX革命』を上梓した北川氏が解説する。

EC市場の成長支える「アナログ」な物流現場

「物流」というワードから、みなさんは何を最初にイメージするだろうか。年齢や関心事によって何をイメージするかは変わると思うが、宅配便のドライバーがトラックから荷物を取り出し、配達先に運ぶ姿を思い浮かべた人も多いだろう。

新型コロナウイルス蔓延による巣ごもり需要の影響もあって、EC(電子商取引)市場の成長は加速している。スマートフォンがあればインターネット経由で、ほぼ何でも注文できる便利な時代になった。

しかし、表向きにはデジタルの世界であるEC市場も、その裏では、人間によってせっせとモノが運ばれている。デジタル社会の典型的サービスに見えるECも、人がモノを運ぶというアナログな行為がないと成立しない。たとえていうと、外見は未来のクルマなのに、その内部では飛脚のように人が一生懸命に走っていた、という感じだろうか。

妙な「たとえ」かもしれないが、これを頭に入れておくと、物流やサプライチェーンをなぜ今、変えないといけないのかがとてもクリアになる。