中国政府が宿題と学習塾の全面的な取り締まりを発表したのは昨年7月。当局は学習塾を格差拡大や少子化の「元凶」と見なし、週末と長期休暇の授業を禁止しただけでなく、授業料の規制や学習塾の非営利化も進めている。学習塾大手は大半が昨年末までに小中学生向けの塾運営から撤退し、わずか5カ月で中国の学習塾の8割が閉鎖された。

「塾が規制されるという話は以前から時々浮上していた。だけど実際には何もなく、皆油断しきっていた」

そう話すのは中国内陸部の陝西省・咸陽市出身で、今は日本の大学院で経営学を学ぶ楊頴さん(仮名、28)だ。楊さんは母親が2011年に開業した未就学児向けの塾を、大学生の頃から手伝ってきた。開業時に数人だった生徒数が約180人まで拡大し、家業を継ぐことを念頭に、経営を学ぶため2018年に来日した楊さん。だが政府の突然の規制によって、自身のキャリアも家業の先行きも一気に不透明になった。

政府が教育改革に着手

中国共産党中央弁公庁と国務院弁公庁は昨年7月24日、小中学生の「宿題」「学習塾」を減らす政策(通称「双減」)を発表した。

宿題については「小3〜6年生の筆記の宿題は1時間以内、中学生は90分以内に終わる内容にする」などと分量や内容を細かく定め、子どもだけでなく宿題の点検に追われる保護者の負担減を図った。

さらに学習塾の新設を禁止し、既存の塾の非営利化を求めた。土日祝日と長期休暇の授業はNGで、広告宣伝も禁止。授業料は政府が管理し、企業の上場や資金調達も大きく制限した。