「昨年末から今年にかけて、常時2〜3人がコロナ病棟で入院しています。本日(1月21日)時点で14人、変異株の検査結果はすぐには出ませんが、ほぼ全例オミクロン株と思われます。

現在入院しているのは、基礎疾患があって重症化リスクの高い患者さん。症状は定義的には軽症ですが、咽頭痛で食事がとれなかったり、発熱と全身倦怠が続いていたりして、『しんどい』と言われる方もいます。抗体療法のゼビュディ(グラクソ・スミスクライン)を使っています」

こう状況を伝えるのは、独立行政法人国立病院機構三重病院(津市)院長の谷口清州医師。小児科学・感染症学の専門家で、新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーとして、政府に数々の助言をしてきた。

政府は、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏や愛知、岐阜、三重の東海3県などで「まん延防止等重点措置」を適用した。来週には関西の3府県や北海道、福岡などでも適用される見通しだ。

背景にある「潜伏期間の短さ」

感染が急速に広がっている背景にあるのは、「潜伏期間の短さ」だと谷口医師は言う。

国立感染症研究所の報告(1月13日)によると、従来型であるアルファ株の潜伏期間の中央値は3.4日。それに対してオミクロン株は2.9日。ウイルスに曝露(感染)してからほぼ全員(99%)が発症するまでの日数は、アルファ株では11.9日、オミクロン株では9.7日。いずれも短くなっていた。

アメリカCDC(米疾病対策センター)の報告でも、潜伏期間がデルタ株は4日に対し、オミクロン株は3日と、1日短くなっている。

「新型コロナウイルスは上気道でも下気道でも増殖しますが、オミクロン株では特に主に鼻、のどといった上気道での増殖効率がよく、増殖スピードも速いことがわかっています。ウイルスがあっという間に増え、排出されるわけですから、それだけ高い感染力を持つといえます。簡単に言えば、今までだと感染しない状況であっても、オミクロン株では感染するリスクが高くなっているということです」