さらに3回目接種については「あくまでも可能性」と前置きしつつ、こんな話をする。

「例えば、B型肝炎のワクチンは2回打ちますが、その効果は1〜2年しか持たない。それが3回目を2回目接種後半年〜1年の間に追加接種すると15年ぐらい持つのです」

つまりは、2回の接種で基礎免疫ができ、3回目で増幅、つまりブースターがかかる、ということだ。

「そういった免疫の仕組みが人には備わっているので、新型コロナワクチンに関しても、当初から専門家のなかには3回目接種の必要性を訴えていた人もいます。まだ3回目を打っている人が少なく、検証までできていませんが、これが実証できれば4回目以降の接種は必要なくなるかもしれません」

「風邪症状と見分けがつきにくい」からこそ

もう一つは、検査だ。

今、行われている新型コロナウイルス検査はPCR検査と、抗原定性検査。このうち抗原定性検査は医療機関だけでなく、薬局やドラッグストアなどでも取り扱うようになってきた。筆者も年末に無料の抗原定性検査をドラッグストアで試したが、15分ほどで結果が出た(結果は陰性)。

「オミクロン株の症状は、われわれ専門家でもインフルエンザや風邪の症状と見分けがつきにくい。だから少しでも症状があれば、医療機関や自己検査にて確認する、飲み会などの感染リスクが高い行動をとる前にも検査を受ける。セルフチェックを行って、1人ひとりが感染拡大を防止する、そんな仕組みが必要なのではないでしょうか」

その上で、万が一陽性となった場合、あるいは検査を行わなくとも感染が強く疑われる場合には、電話などで医療機関や保健所に相談し、重症化リスクが低ければそのまま自宅で待機し、熱が3日以上続くなど、重症化の兆候が出たら速やかに入院する――。感染者が膨大な数になればそんなシステムが必要だという。

「正直なところ、行政任せ、医療機関任せでは、オミクロン株には太刀打ちできない。これからは一人ひとりの意識の持ちようが重要で、こういう仕組みが整えば、自らの身を守るだけでなく、人に感染させるリスクも減る。結果的に、感染を広げずにすみます」

もちろん、これは感染状況によって柔軟に対応することが大事になる。そのために必要になってくるのが、地域での感染情報を知ることだ。

現在、厚生労働省が発表しているのは、新規感染者数、入院治療が必要な人の数と重症者州、死亡者数などだ。数字こそ出ているが、ある地域でのどれくらいの割合で感染するリスクがあるのかはわからない。これを解決する方法として、谷口医師は定点方式による「インフルエンザ様症状サーベイランス」をすべきと主張する。