中国の資源取引大手の中国中鋼集団(シノスチール)は5月7日、西アフリカのカメルーンで鉄鉱山の開発に着手すると発表した。前日の5月6日、カメルーン南西部のクリビ地区にあるロべ鉱山の開発に関して、同社とカメルーン政府が協定に調印した。

ロべ鉱山で産出されるのは主に磁鉄鉱で、推定資源量は約6億トン。中鋼集団は現地法人の中鋼カメルーンを通じて、同鉱山の開発に7億ドル(約913億4600万円)以上を投資する。鉱山設備の稼働後は品位33%の鉄鉱石を年間1000万トン採掘し、それを選別・加工した品位60%以上の鉄精鉱を年間400万トン以上生産する計画だ。 

磁鉄鉱は鉄の含有率が低く、選別・加工を通じて品位を高める必要があるため、より高品位の赤鉄鉱よりも生産コストがかさむ。さらに、アフリカは物流や工業のインフラ整備が遅れており、ロべ鉱山では採掘設備のみならず選鉱設備、発電所、港湾施設なども建設しなければならない。

鉄鉱石の高騰で採算合うと判断

実は、中鋼集団がロべ鉱山の調査権を獲得したのは14年前の2008年に遡る。同社は直ちに現地調査を行い、探鉱区域を確定。続いて本格的な探鉱段階に入るとしていたが、実際にはほとんど進展がなかった。

そんな同社が、このタイミングで改めてロべ鉱山の開発に着手した背景には、主に2つの要因がある。第1に、鉄鉱石の国際相場が過去1年余りにわたって高値で推移し、(磁鉄鉱の)割高な開発コストをカバーできるだけの利益が見込めると判断したこと。第2に、中鋼集団が過去に抱えて(投資推進の制約要因になって)いた600億元(約1兆1734億円)を超える債務の整理が完了したことだ。

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中鋼集団は2014年に過剰な債務を抱えて経営が行き詰まり、2016年12月から債務整理のプロセスに入った。その後、同社は2020年10月に国有鉄鋼最大手の中国宝武鋼鉄集団の傘下に組み込まれ、資源開発、採掘設備、資源貿易などに新たに投資するための後ろ楯を獲得していた。

(財新記者:羅国平)
※原文の配信は5月8日

著者:財新 Biz&Tech