国内トラック大手、日野自動車のエンジン不正問題を調べていた外部の特別調査委員会は8月2日、調査報告書を発表した。3月に明らかにした中・大型エンジンの不正のほかにも同様の不正が多数発覚。2016年秋だった不正開始の時期も、少なくとも2003年5月からと、大幅に期間が広がった。

2016年には、三菱自動車の燃費不正を受けて行われた国土交通省の調査に対し虚偽の報告をしていたことも明らかになった。深刻な不正の連鎖に、企業体質が問われる。

事業への影響も深刻だ。現在販売中のモデルだけでもトラック・バス向けのほか、建機といった産業用エンジン含む計12機種のエンジンにまで及ぶ。以前の排ガス規制下での不正対象の累計販売台数を含めると、対象になる販売台数は3月に発表した約11万台から約56万台にまで膨らんだ。

日野は3カ月後の11月中をめどに会社として新たな執行体制や再発防止策について方針を打ち出す。

終わりが見えない不正問題

エンジンの開発では、燃費や排出ガス抑制について規制値を達成することが法令で定められている。だが、日野は認証試験においてデータの書き換えなどの手口を使って型式指定を取得していた。

排ガス性能では2003年5月から適用された法規制対象のエンジンで、燃費性能でも2006年4月の試験において不正を行っていた。ただし、不正が始まった具体的な日時は「データやメールが断片的にしか残っていなかった」として、明確にできなかった。

報告書は上にモノを言えない風土や、開発現場と経営陣の認識の乖離、本来分けるべきだった開発と認証を一部署に任せていたことなどを原因と指摘した。

例えば、2005年には燃費の2015年度目標を達成するよう、当時技監だった元役員が強く求めた。ただ、当時の技術では大幅に未達だったことから、開発担当者は不正に走ってしまったという。