シンガポール在住、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。引き続き、『世界大異変 現実を直視し、どう行動するか』から世界情勢を解説していきます。今回はアメリカのナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問もあって「台湾有事」が強く意される中、米中関係について解説をしていきます。

「米中戦争」を回避するためにはどうすべきか

ペロシ下院議長の台湾訪問は、台湾を含む東アジアの安全保障に一段と脅威をもたらすことになりました。日本の排他的経済水域(EEZ)内に5発の弾道ミサイルが落下し、日本にも緊張感が高まっています。

ジム・ロジャーズ氏もこのまま行けば「10〜15年後に米中戦争は免れない」と言っています。

優れた歴史家でもあるロジャーズ氏は、アメリカのグレアム・アリソン・ハーバード大学ベルファー科学・国際問題研究センター所長の「トゥキディデスの罠」を挙げます。

これは、アテネとスパルタによるペロポネソス戦争を分析した古代ギリシャの歴史家の分析を踏まえ、「覇権国家と台頭する新興国家が戦争不可避な状態にまで衝突する可能性」を指した言葉です。実際に、こうした覇権争いは、歴史的にも幾度となく起きているからです。

しかし、一方で、ロジャーズ氏は米中新冷戦時代とも言われる中で「中国『封じ込め』ではなく、むしろ成長の糧とする政策をとるべき」と言っています。

「日本と中国に限らないが、他国との争いは行うべきではない。中国の成長は、結局は中国に投資したアメリカや日本の経済も成長させた。言うならば、Win-Winの関係だった」

しかし、ドナルド・トランプ前大統領のあたりから、アメリカでは反中や反アジア人感情をかき立て、アジア人に対する暴力的な行動がかなり目立つようになりました。