多くのフランス人が日本の漫画やアニメーションに夢中になっていることは広く知れ渡った感がある。日本の「マンガ」ブームに触発されたのか、仏製の「バンド・デシネ(フランス語で「漫画」の意味)」も健闘。仏国内だけでなく世界でも長年にわたって支持を集める『アステリックス』シリーズの『アステリックスとグリフォン』などの販売が好調に推移する。

フランスは今や、日本に次ぐ世界2位のコミック市場に成長した。では、同じエンターテインメントコンテンツでも仏ゲーム業界の実力はどうなのか。

仏大手ゲーム会社トップが来日

9月15〜18日に開かれた東京ゲームショウ。3年ぶりのリアル開催となった今年の出展企業・団体数は600あまりとオンライン方式だった昨年から約7割増えた。このうち、海外からの参加が半分近くを数えた。フランスからもゲームショウ開催に合わせて、関連企業などで構成されるミッションが訪日。日本の企業幹部やクリエイターらと接触し、商機を探った。

来日企業で注目を集めたのが、ゲーム制作・販売大手のクアンティック・ドリームである。中国IT大手の網易(ネットイース)が8月末、オンラインゲーム事業を手掛ける「ネットイース・ゲームズ」によるクアンティック社の買収を明らかにしていたからだ。

ネットイース・ゲームズは2019年にクアンティック社へ少数株主として資本参加していた。「われわれはストーリー性に重きを置くゲームの領域でノウハウの蓄積が進んでおり、世界標準になっている。ネットイースはこうした点を評価して協業を決断した」。クアンティック社のギヨーム・ドゥ・フォンドミエール共同最高経営責任者(CEO)はこう胸を張った。

クアンティック社は1997年にパリで設立。それ以来、インタラクティブゲームの開発に注力する。目の動きや肌の状態、感情表現にいたるまでCGキャラクターを本物のヒトのように動かす「モーション・キャプチャー」と呼ばれる最先端技術の活用でも知られる存在だ。

これまでに250以上の国際的な賞を受賞。代表作は2018年に投入した『デトロイト・ビカム・ヒューマン』である。2038年のアメリカ・デトロイトを舞台にしたアドベンチャー・アクションゲームで、プレーヤーは3体のアンドロイドを操作して楽しむ。