小魏鴨脖など近年オープンした滷味専門店では、真空パック詰めした滷味を日本全国に配送することもできる。近年はコロナの影響でフードデリバリーサービスが増えているが、宅配便で全国に配送できるという点は、ほかのガチ中華料理と比べても大きな強みだ。最近では中国物産店に真空パック詰めした滷味が並んでいることも多い。

近年オープンした滷味専門店の小魏鴨脖(写真:筆者撮影)

実際に宅配便で購入した滷味のパッケージの裏を見ると、埼玉県の工場で生産されており、肉の部位にもよるが長いものは賞味期限が2カ月以上もあった。池袋にある中国物産海羽では滷味だけで30種類ちかく販売されていて、その人気ぶりがわかる。

30種類近くが販売されている(写真:筆者撮影)

海外初出店の中国チェーン店も

最近では中国の滷味チェーン店も、日本に進出した。大久保駅から徒歩数分の場所に2022年5月にオープンした「茉莉香鴨頸王」は中国・黒竜江省発祥で、中国で350店舗以上を展開するチェーン店だ。海外の店舗は大久保店が初めてだという。

大久保通り沿いに突如現れる黒地に黄色い看板(フォントが茉莉香と鴨頸王で違うところも含めて)に日本語がほとんどない店内、ショーケースに並べられたアヒルや豚などのあらゆる部位の肉など、中国国内にある店をそのまま持ち込んだような雰囲気を放っている。

2022年5月にオープンした「茉莉香鴨頸王」(写真:筆者撮影)

店員の単さんによれば、店の売りは防腐剤や添加物などの化学調味料不使用の素材の味を生かした味付けだという。辛味もそこまで強くないため子どもから高齢者まで広い世代に食べられているそうだ。

滷味専門店だけあって定番メニューのアヒル肉や豚のモツなどに加えて、ホタテやザリガニなどの魚介類、レンコンやじゃがいもなどの野菜類まで種類も豊富だ。実際にアヒルの首肉を食べてみると、ピリ辛の中にほんのり甘さも感じられるやさしめの味わいで、これまでに食べた滷味と比べると食べやすかった。

「都内で滷味の店が増えているのは、やっぱり中国人の人口が増えているからだと思います。さらに今はコロナで中国に戻れないので、故郷の味を提供する店は需要があると思います」と単さんは語る。