では、「お金を管理する力」すなわち「貯める力」をつけるにはどうしたらいいでしょうか。

それが、私が10年以上、2万4000件の相談を受けた方にお会いして効果を発揮している「横山式90日貯金プログラム」のメソッドです。メソッドはシンプルです。

支出をすべて書きだし、消費、浪費、投資に分けるだけ。

これが本書の唯一といっていいメソッドです。

しかしこの「支出を書きだし、消費・浪費・投資に分けるだけ」といったシンプルな行動がとても重要な意味をもつのです。

1円をケチるより、お金を「何に」「どう使うか」

家計を良好にすることを考えると、まず「節約」が頭に浮かぶ人が多いのではないでしょうか。でも、節約してお金を使わないということだけが、良いことではありません。生活するのがつまらなくなってしまいます。

なんでもかんでもお金を使わないようにするのは、単なるケチ。貯金ができていたとしても、人生を楽しむことができないかもしれませんし、もしかすると人として魅力がなくなってしまうかもしれません。

1円をケチる支出意識よりも、お金を「何に」「どう使うか」によって、人は変わっていきます。

今のような時代を乗り切るために必要なのは、「自分軸を持つ」ということ。
他人の考えではなく、自分自身がどういうお金の使い方を良しと考えるのか、という軸を持つのです。

要するに、〝いくら使ったか〟より、〝何に使ったか〟が大事なのです。

自分軸を持つには、自分の価値基準が大切です。それを見つけるために、支出をあなたなりに「消費」「浪費」「投資」の3つに分けましょう。家計簿の目的は、細かなお金の出入りを把握するためではありません。お金の使い方や流れを知ることにあります。

そして、もっと言うと、消費・浪費・投資の3つの割合(バランス)を自分でわかるようにするためなのです。

例えば家賃や水道光熱費、生活日用品、医療費といった項目は「消費」です。

タバコやコーヒーといった嗜好品や、ギャンブル、FX投資のような投機性の強いものは「浪費」です。貯金や資格取得のための勉強費用などは、将来の自分につながる「投資」ですね。

しかし、単純には決められません。

食費は、基本は「消費」ですが、過度な外食はもしかすると「浪費」かもしれません。これから起業しようとか、新たな知り合いを増やしたいなどといった将来につながる目的があるなら「投資」にもなるでしょう。旅行も単なる娯楽だから「浪費」というふうには言いきれません。自分を豊かにするための「投資」にあたることもあります。

このように同じ項目であっても、複数に分かれてもいいのです。また自分の価値観での判断で結構です。それで十分、お金が貯められる体質づくりへとつながります。浪費はゼロ、が理想なのかもしれません。ですが、ぎすぎすしないで、時にはムダも許容することが成果につながります。

この「支出を書きだし、消費・浪費・投資に分ける」を、まずは90日間やってみましょう。なぜ、90日なのでしょうか。

① 変化を起こしやすい
② 貯められなかったころの自分と比較がしやすい

からです。私が、数多くの赤字家計を立て直すなかで、この90日間が最適という結論に至りました。