(画像:著者撮影)

そしておかわり麺。夏限定の冷やしが楽しめるということで注文したが、三陸ワカメととろろが乗ったすっきりとしながらも旨味の深い塩スープに、つるんとした自家製麺が最高に美味しい。「とみ田」の濃厚だけではない別の魅力が感じられる。そしてこの冷やしもスープ割りができ、さらに一度で二度美味しい仕掛けだ。

(画像:著者撮影)

(画像:著者撮影)

食べ終わる頃にはすでに入店から1時間が経過。本当にゆったりした時間の中で最高の一杯が楽しめた。すべてが満足のクオリティーで3550円という価格も忘れてしまう時間だった。

改めて客席回転数からの脱却を考えてみる

勘のいい読者ならすでに気づかれているだろうが、筆者が「とみ田」への訪問録をこうしてつづっているのは、冒頭で触れた「客席回転数(回転率)からの脱却」をすでに達成している店だと改めて感じたからだ。

従来のラーメン店は、薄利多売のため客席回転数をとにかく重視し、「一日何杯売れるか」の勝負をしている。ラーメン店の平均の滞在時間はおよそ15分から20分で、長くても30分程度と言われており、1時間で1席が2〜4回転する計算だ。

では15分の滞在時間で果たして一杯2000円が取れるのか。ここが問題になってくるのだ。よく「パスタは2000円取れるのに、なぜラーメンは取れないのか」という話題を目にするが、これは滞在時間の差による違いが大きい。広い席で1時間ゆっくり過ごすパスタ店との大きな違いと言えるだろう。

ツッコミを承知で、あえて単純な計算をここでしてみたい。席数10席、営業時間8時間のお店として単純に客数×客単価×原価率で考えると、客単価800円のお店で平均滞在時間20分、原価280円(原価率35%)とした場合、1日の儲けは、

24回転×10席×客単価800円×65%(原価率35%)=124,800円

となるが、客単価2000円のお店で平均滞在時間1時間、原価500円(原価率25%)とした場合には、

8回転×10席×客単価2000円×75%(原価率25%)=120,000円

とほぼ変わらない結果となる。上の例の場合、一杯800円の中でやり繰りするとなると原価280円の中での戦いとなり、原材料高騰、水道光熱費の問題ですぐに原価を圧迫してしまうのに対し、一杯2000円であればまったく考え方が変わってくるのだ。