高アルの構成比は2018年に44.6%まで増加し、中アル・低アルを上回っていたが、2019年から減少傾向となる。中アルの構成比が2020年から高アルを上回っており、2021年以降は半分以上を占めている。以前から中アルを飲んでいた中年層では、若年層よりも中アルの伸長が早かったことがうかがえる。

60代のシニア層では、中アルの構成比が2013年に42.2%と最も大きかったのは、中年層と同様である。特徴的なのは、2019年に高アルの構成比が半分を超えていることだ。若年層や中年層と比べてお酒を飲む量が多いシニア層では、酔いやすい高アルがとりわけ人気となっていた。それでも、高アルの構成比は2021年には半分を下回り、伸長してきた中アルの構成比が2023年には半分を超えている。シニア層でも、高アルから中アルへとシフトしてきているようだ。

健康への影響懸念で中アルへとシフト進む

年代を問わず、一時は高アルが人気となっていたものの、足元では中アルへとシフトが進んでいる。2024年2月には、厚生労働省が「飲酒ガイドライン」を公表し、お酒を飲みすぎることは生活習慣病の原因になると警鐘を鳴らした。健康への影響を懸念して高アルを控える動きは今後も続くのかもしれない。

チューハイの種類は多様化してきている。フレーバーでは、レモン・プレーン以外にも、グレープフルーツ・シークワーサー・梅などさまざまだ。焼酎だけではなく、ウォッカやジンベースのサワーや、ウィスキーベースのハイボールなど味わいの違いを楽しむこともできる。好みに応じていろいろな種類を楽しむこともできるのも、チューハイの魅力の1つだろう。

また、若年層を中心に、あえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」という考え方も広がり、ノンアルコール飲料を選ぶ人も増えてきている。自分自身に合った種類の飲み物を食事とともに楽しむのが、これからの飲酒スタイルとなっていくのではないだろうか。

著者:木地 利光