「最近は中堅や準大手ゼネコンからスーパーゼネコンに流入してくる人が多い。とくに現場監督が足りないので、一級建築士の資格を持っていたら歓迎される」。スーパーゼネコンのある中堅社員はこう語る。

中堅・準大手からスーパーゼネコンに向かう流れだけではない。「中堅から準大手への移籍を願望するケースが増えている」(準大手ゼネコンの幹部)。

ゼネコン業界で人材の流動化が活発となっている。コロナ禍が落ち着きだした2023年ごろから、いっそう増えてきた。

転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリアの有泉玲児氏(建設業界担当)は、「現場監督の経験者を中心に転職を考える人が多くなっている。実際に転職するかどうかは別にして、相談いただくケースが増えている」と話す。

「華麗なる転職」が増えている

建設業は人手不足が深刻だ。だが、仕事がきついというイメージが浸透しているためか、若者の流入が少ない。今年4月からは時間外労働規制の適用も始まった。作業員に過度な残業を要求して工期を守る「お家芸」も通用しなくなったことで、人材は引く手あまただ。

建設業界は4重、5重もの多重下請け構造を形成している。その頂点に君臨するスーパーゼネコンに、下層の準大手・中堅ゼネコンから転職することは、これまであまりなかった。それが「華麗なる転身」のような転職が増えているという。

スーパーゼネコンの中堅社員が背景を説明してくれた。「建設の現場監督ならば、仕事の内容はどこに行っても同じようなもの。働く量も変わらない。それならば『転職して待遇を改善しよう』という考えになる」。

では待遇の中でも金銭面はどの程度変わるのか。