コロナ禍の自粛生活で、体重が増えた人、お酒の量が増えた人は多いと思いますが、そのなかに「最近、胸やけがひどい」「胃が痛くなることが多くなった」と感じている人はいませんか。よくある症状なので放置しておきがちですが、もしかしたら知らないうちに、逆流性食道炎になっているかもしれません。実は昨今、若い人にもこの病気が増えているようです。

そこで、逆流性食道炎の手術を多数手がけてきた関洋介先生の著書『胸やけ、ムカムカ、吐き気、胃痛、げっぷ……それ全部、逆流性食道炎です。』(アスコム刊)より、症状別の対処法など、知っておきたい「逆流性食道炎」の情報をお伝えします。

逆流性食道炎とは、どのような病気か

テレビ番組などのおかげで「逆流性食道炎」という病名は、よく知られるようになりました。実際、私のクリニックに来る患者さんの大半が「私は逆流性食道炎でしょうか?」「逆流性食道炎がひどいのですが」などと最初に言います。

しかし、少し誤解があります。「逆流性食道炎」は、胸やけ、胃もたれなど胃液の逆流によって起きる病気の「一部」だということです。「逆流」というインパクトのある言葉がマスコミ受けするために、この病名ばかりが有名になってしまいました。まず読者の方には、病名を表す用語を正しく理解していただきたいと思います。

胃液など胃内容物の逆流によって起こるわずらわしい症状のすべてが逆流性食道炎ではありません。このような症状を起こす病気を総称して「胃食道逆流症(GERD=ガード)」といいます。そのうち、食道粘膜が炎症を起こして「びらん」や「潰瘍」があるものを「逆流性食道炎」(食道に炎症が起きている状態)と呼び、「びらん」や「潰瘍」のないものは「非びらん性胃食道逆流症(NERD=ナード)」と呼んで区別しています。

逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症の患者さんの割合は、大体4対6です。つまり、「私は逆流性食道炎では?」と言ってくる患者さんの半分以上は逆流性食道炎ではなく、非びらん性胃食道逆流症ということになります。ですがここでは理解してもらいやすくするため、あえてどちらも「逆流性食道炎」と呼ぶことにします。