2019年度税制改正では適用期間が10年から13年へと延長されたが、誰もが当然に13年間還付されると思っているのではないか。この13年間という数字は「最長」であって、万人に約束されているわけではない。

いったいどういうことなのか? 住宅ローン減税の創設目的はマイホーム取得の後押しにある。「マイホーム」=「本人が所有かつ居住するための住まい」と定義され、そこに生活拠点としての実態(生活基盤)を伴って初めて「マイホーム」と認知される。

そのため、住宅ローン減税の適用を受けるためには「新築または取得の日から6カ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」が求められる。

これに反し、「会社員の宿命」である転勤が勤務先から命じられると、その間は住宅ローン減税が受けられなくなるのだ。せっかく控除期間13年間の「権利」を取得しても、その間、たとえば5年間転勤してしまうと、実際に税還付される期間は差し引き8年間(控除期間13年間−転勤期間5年間)になる。

つまり、マイホームに「住み続ける」という条件を満たさなくなると、その分、控除期間は短縮されるのだ。当然、期間が短縮されれば、同様に控除額も減額する。控除額を満額もらえると思っていた人には、想定外の事態が訪れる。

単身赴任の場合は救済措置が適用される

しかし、悲観する必要はない。さすがにこのルールは厳しいとの観点から、「住み続ける」という条件には例外規定が設けられている。たとえ転勤が言い渡されても、本人が単身赴任する場合、家族が住み続けていることで「本人も転勤期間中、居住している」とみなされ、税還付は継続する。

ストップするのは家族全員で転勤し、マイホームが留守(第三者への賃貸も含む)になった場合だけなのだ。たとえば親世帯と子世帯が2世帯で同居しており、扶養関係(子供世帯が親世帯を扶養)にある親世帯が住み続けていれば、子世帯が全員で転勤してしまっても、住宅ローン減税は継続される。

つまり、居住実態があるかどうかが重要となるのだ。単身赴任する会社員にとっては、大変ありがたい措置といえるだろう。