≪ケース1≫
償還期間12年の住宅ローンを組み、現在、3年返済し終えた。本来であれば完済まで残り9年だが、まとまった資金ができて期間短縮型の繰り上げ返済を行った結果、住宅ローンの返済期間が3年短縮され、完済までの返済期間が6年となった。

⇒この場合、以降、住宅ローン減税は受けられなくなる。

≪ケース2≫
償還期間15年の住宅ローンを組み、現在、3年返済し終えた。本来であれば完済まで残り12年だが、まとまった資金ができて期間短縮型の繰り上げ返済を行った結果、住宅ローンの返済期間が3年短縮され、完済までの返済期間が9年となった。 
 

⇒この場合、引き続き住宅ローン減税は受けられる。

どちらも短縮期間は3年で変わらないのに、《ケース1》では税還付が終了し、他方、《ケース2》では継続される。

償還期間の計算方法

なぜ、こうした結果になるかというと、償還期間をどのようにカウントするかにかかってくる。その計算方法は下記のようになっている。

「住宅ローンの返済を開始し、実際に支払い終わった期間」
              +
「期間短縮型の繰り上げ返済後、ローン完済までの残りの返済期間」
=10年以上、残っているか?

《ケース1》では「支払い済み期間3年」+「繰り上げ返済後のローン期間6年」=9年となり、税還付はストップする。これに対し、《ケース2》では「支払い済み期間3年」+「繰り上げ返済後のローン期間9年」=12年となり、住宅ローン減税は継続される。

通常は30年近くにも及ぶ長期の住宅ローンを組むため、たとえ期間短縮型の繰り上げ返済を行っても、ただちに償還期間が10年を下回ることは考えにくい。そのため、予備知識として頭の片隅にとどめておけば問題ないだろう。

その誕生から半世紀。もはや住宅ローン減税は経済対策の柱として、ゆるぎない不動の地位を築いている。税制を通じて住宅投資を刺激しようという狙いだ。

繰り返しになるが、マイホームに「住み続ける」という条件を満たさなくなると、控除期間は短縮される。13年間という数字は「最長」の値であって、当然に13年間、税還付されるわけではない。住宅ローン減税にはいくつもの盲点が潜んでいる。その仕組みを正確に理解し、最大の控除額を手にしてほしい。

著者:平賀 功一