芸能界は過酷な競争社会であり、その競争は年々激しさを増している。その原因は、テレビタレントを志す人の数に対して、地上波テレビの中に存在する椅子の数は限られているからだ。

特に芸人は数が多いし、活躍している世代の幅が広い。何十年も前からテレビに出ているような人が、いまだに現役でテレビの世界の中心に座っている。それをはねのけて、新しい世代の芸人が出てくるのは容易なことではない。

だが、そんなお笑い界の構図にも徐々に変化が現れている。最近、「大御所」と呼ばれるような60代以上の大物芸人が、次々に長年続いたテレビ番組を降板しているのだ。

相次ぐ「大御所芸人の番組」の終了

たとえば、ビートたけしの『新・情報7daysニュースキャスター』降板、桂文枝の『新婚さんいらっしゃい!』降板、上沼恵美子の『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』終了、立川志の輔の『ためしてガッテン!』終了などである。このような例はほかにも相次いでいる。

なぜ、今になって、大御所芸人が次々に降板したり、番組が打ち切られたりしているのか。そこにはいくつかの理由がある。

まず、テレビ局側の視点で考えてみると、理由は明白だ。もともとテレビのギャラにはタレントごとに相場が決まっていて、キャリアが長い人ほど出演料が高いというのが一般的だった。そして、一度上がったギャラの相場は基本的には下がることはない。

だから、大御所芸人は常にリストラの危機にさらされている。高額のギャラに見合う結果が出せなければ、すぐに見切りをつけられてもおかしくない。

もちろん、そういう芸人の出る番組は人気がある場合が多いし、長寿番組であれば習慣的に見ている固定客もたくさんいる。だからこそ、彼らは長く番組を続けることができた。

だが、ここへ来て、テレビ業界にも構造的な変化があった。視聴率の指標として「コア視聴率」と呼ばれるだいたい13〜49歳ぐらいの世代の視聴率が重視されるようになってきた。その世代のほうが広告効果が高いとされているからだ。