2022年は、戦後の「第1次ベビーブーム=団塊の世代」(1947〜49年ごろに生まれた人々)と呼ばれる人々が、75歳の「後期高齢者」にさしかかってくる起点の年と言われる。

いわゆる「2025年問題」と呼ばれる現象で、2025年までに今後3年間で毎年200万人ずつ、ざっと607万人(総務省統計局、2020年10月現在)程度の人が後期高齢者になり、その人口が約2180万人に膨れ上がる。国民の4人に1人が75歳以上になる計算だ。

その団塊の世代は、これまでも日本の社会や経済にさまざまな影響を与えてきた。大学紛争に走ったかと思えば、社会人になってからはしっかりと会社人間となり、日本の高度経済成長時代を支えた。中年になって以降は「ニューファミリー」と呼ばれる新しい価値観を持った消費者として、広告やマーケティングのターゲットになってきた。

そんな人たちが後期高齢者になるにあたって、いま注目されているのは本当の意味での「老後」を迎えた彼らが、今後どんな影響をもたらすのか……、ということだ。

とりわけ、団塊の世代を親に持つ人たち、いわゆる第2次ベビーブーム世代=団塊ジュニア(1971〜74年ごろに生まれた人々)が50歳前後にさしかかり、住居費や教育費の負担が重くのしかかってくる時期にさしかかってきている。団塊世代の親を持つ子どもたちの目線で、2025年問題を考えてみたい。

団塊の世代が抱えるリスクとは何か?

団塊の世代が本格的な老後を迎えるにあたって、いくつか指摘されているリスクがある。整理の意味も込めて再確認しておこう。

1 医療費の増大

厚生労働省の発表によると、介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」は、2019年現在で男性は「72.68歳」、女性は「75.38歳」だそうだ。健康寿命は3年ごとに数値が発表されているが、まさに団塊の世代の年齢と符合している。団塊世代の男性の健康寿命はすでに平均値に達しており、女性も今年から健康寿命に達しようとしている。

今後は彼らが使う医療費が心配になってくる。75歳以上の後期高齢者1人当たりの年間医療費は92万円に達し、75歳未満の平均値21万9000円の約4.2倍にも達する(厚生労働省「令和2年度 医療費の動向」より)。実際に、国民医療費は2019年度には44兆3895億円、人口1人当たり35万1800円。前年度に比べて9946億円増えており、団塊の世代が後期高齢者になることで、今後は年間で1兆円ずつ増加していくのではないかと予想されている。