まさに急転直下。5月18日夜、警察は山口県阿武町が4630万円を誤って振り込んだ問題で、電子計算機使用詐欺の疑いで田口翔容疑者(24歳)を逮捕し、メディア各社が一斉に報じました。田口容疑者は警察の調べに対し、「振り込まれた金はオンラインカジノで使った」などと容疑を認めていて、今後は金の流れについて解明が進むとみられています。

また、田口容疑者の代理人弁護士は、本人が金を使ったことを謝罪し、預金口座の出入金履歴を明かしたうえで、「少しずつでも返していきたい」と話していることを明かしました。しかし、決して「一件落着」ではなく、むしろ「モヤモヤが増えた」という印象が強いのはなぜなのでしょうか。

今回の問題は、単純な「悪いことをした人を罰したい」という懲罰感情にとどまりません。幾重ものモヤモヤが重なり、しかもそれらはテレビの情報番組やネットニュースではあまりふれられないため、シンプルに見えて実にややこしいものになっているのです。

阿武町の非を指摘しづらいムード

あらためて振り返ると、まず4月8日に阿武町が田口容疑者の預金口座に4630万円を振り込みました。田口容疑者の行動が悪質なのは間違いありませんが、ありえないほどの大金を振り込みし、差し押さえが遅れた阿武町にもハッキリとした非があることが1つ目のモヤモヤとなっています。

情報番組やネットニュースが、「本当にそんなミスをするものなのか」「管理体制があまりに杜撰すぎて同情しづらい」「町長などが被害者のようになっているがそうとも言えない」「『なぜ誤送金が起きたのか』をざっくりとしか明かさない」などをあまり指摘しないことが、人々にモヤモヤを感じさせているのでしょう。