新型コロナ第7波が明らかに収束に向かう一方で、この冬はいよいよインフルエンザとの同時流行との見方が強まっている。

新型コロナ発生以来、インフルエンザの流行は2シーズンにわたって消失していた。冬季の行動自粛や、マスク、換気などの予防策が功を奏した部分もあるだろうが、国をまたいだ人の移動が減少し、ウイルスが流通しなくなったのが最大の理由と考えるのが適当だ。

しかし、渡航制限は急速に解除され、国際的な人の動きが再開している。結果として、オーストラリアなど南半球の国々では今季、インフルエンザが流行した。日本の来たる冬にインフルエンザが流行すると考え、対策を練るべきだ。

危惧を抱いた厚生労働省が新たに認めたのが、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種だ。

同時接種でも「副反応が増えることはない」

同時接種では文字どおり、1回の受診で複数のワクチンを打つ。

片腕に2本打つ場合は、局所反応の重なりを避けるために2.5センチ以上間隔をあけるといい。といっても、新型コロナワクチンは筋肉注射で肩のあたり、インフルエンザワクチンは皮下接種で二の腕あたりに打つので、そもそも接種部位は重ならない。

それでも患者さんの話を聞いていると、慣れない同時接種への不安や誤解が少なくないようだ。

安心していただきたい。「同時接種によって副反応が出たり強まったりする」なんてことはまずない。

同時接種は、とくにトラベルクリニックでは当たり前の光景だ。海外渡航前には何種類も打たねばならない人が多く、1本ずつ接種していてはスケジュール的に到底間に合わない。同時接種により、発熱など副反応は相加的に増えるが、相乗的に増加することはない。