パワハラ防止法(正式名称は省略)に基づき、今年4月1日より、パワーハラスメント防止措置が中小事業主を含む全事業主の義務となりました。そして厚生労働省が公表した、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上事業主が講ずべき措置等について定めた「パワハラ防止指針」の中に、SOGIハラとアウティングに関する事項が盛り込まれました。

セクハラ、パワハラという言葉はかなり浸透してきたと思いますが、この機会にSOGIハラ(ソジハラ又はソギハラと読みます)とアウティングについて知っておきましょう。

SOGIとは、すべての人が持つ属性

SOGIとは、「Sexual Orientation(性的指向)」と「Gender Identity(性自認)」の頭文字をとった言葉で、すべての人が持っている属性を意味します。

性的指向は、恋愛感情や性的関心が向いている方向性を指すもので、「男性」「女性」「どちらでもある」「どちらでもない」等さまざまです。恋愛感情と性的関心の方向性が異なることもあります。性的指向は本人の意思で選んだり変えたりできるものではなく、変更することは非常に困難なものです。

性自認は、性別についての各人の内的な意識です。出生時に割り当てられた身体的性別(表現方法について議論がありますが、この記事ではこう表現します)とは別物です。

身体的性別、性自認、性的指向の組み合わせはさまざまで、「身体的性別は男性、性自認は女性、性的指向は男性」「身体的性別は女性、性自認は女性、性的指向は女性」「身体的性別は男性、性自認は男性、性的指向は女性」等、いろいろな組み合わせがあります。

SOGIはLGBTとは違うの?と思われる方もいるかもしれません。SOGIは「性的指向・性自認はすべての人が持っているものであり、それぞれが違って当たり前」という意味合いを持つため、人権への配慮から、LGBT等のセクシュアルマイノリティを表す言葉でなく、すべての人が持つ属性であるSOGIという表現が使われることが増えているのです。

SOGIハラとは、職場における性的指向および性自認(Sexual Orientation and Gender Identity)についてのハラスメントを意味します。

そして、パワハラ防止指針に盛り込まれたアウティングとは、パワハラ(SOGIハラ)の一類型であり、労働者の性的指向や性自認を、その労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露することを意味します。アウティングは職場以外の場所でも問題になりますが、ここでは職場でのアウティングを指します。