中間管理職の多くを占める40代。会社でも家庭でも重要なポジションにつく年代ですが、その中でも男性は「“ダメおじさん”と認定される機会が増えた」と話すのは、博報堂生活総合研究所の上席研究員・前沢裕文氏です。しかし、コロナ禍を経たこの2年で、「40代おじさん」に大きな変化があったといいます。

40代男性の悲哀と実態を、豊富なデータから分析します。本記事は、前沢裕文氏の著書『−30年調査でみる−哀しくも愛おしい「40代おじさん」のリアル』より一部抜粋・編集してお届けします。

本稿は、40代おじさんの筆者による40代おじさんのための記事で、40代おじさんの意識・行動、価値観に関するデータをご紹介していますから、40代おじさんをターゲットとする商品・サービスのマーケティングのお役に立たないこともないとは思います。が、まったく小難しい内容ではないことを、まずここに誓います。

「40代おじさん」への風当たりが強い

のっけから「おじさん」と連呼しておりますが、そもそも「おじさん」とは?

詳しくはここでは割愛しますが、おじさんとは43歳から69歳までを指すということが、博報堂生活総合研究所の調査で明らかになりました。

そんなおじさんたちについて。年齢を10歳刻みで分けて人口を見てみると、

40代男性 882万人
50代男性 880万人
60代男性 734万人

となっています。(総務省統計局人口推計2022年10月報10月1日現在の概算値より)

この882万という人数。実は、おじさんの中だけではなく、他の性年代と比べても多いんです。つまり、40代男性は今の日本で最も人口の多い層なのです。まあ、50代とは変わらないっちゃ変わらないのでギリギリですが(笑)。ちなみに、10・20代と比べてみると、

10代男性 554万人
10代女性 527万人
20代男性 645万人
20代女性 612万人

となっており、 20代男女の各1.4倍ほど、そして10代男女の各1.6倍ほどもの人数が存在しているということに。え? めちゃめちゃ多いんですけど……。少子高齢社会ならぬ少子おじさん社会の様相です。