生まれ育った場所が好きか否かは、その地域の経済的な豊かさや利便性とはあまり関係がないと思う。子どもの頃の嬉しい思い出がたくさんあり、良好な人間関係が継続している場合は「地元好き」になって関わり続け、そうでない場合は地元から距離を置くことになる。

6年前の出会いも地元のバーベキュー

北関東のある町に住んでいる後藤美穂子さん(仮名、40歳)と信行さん(仮名、29歳)の場合は明らかに地元好きだ。お互いの実家や職場などはすべて自宅から車で30分圏内にあり、人間関係もその範囲内で完結している。3歳の娘がいる現在は、美穂子さんの希望で年に1回だけディズニーリゾートで泊まりがけで遊んでいるが、それ以外は地元から出ることはほとんどない。

6年前の出会いも地元のバーベキューだったという。短大卒業後はずっと保育士として働いている美穂子さんは当時34歳で未婚。地縁で結ばれる人にしては珍しい。多くは20代で結婚して40代で孫がいたりする「マイルドヤンキー」の世界だからだ。ただし、美穂子さんの周りには同世代の未婚女性がたくさんいたらしい。