未だに誤解されているのが、医師から「がん」と確定診断されたときの「余命宣告」です。

医師が告げる余命は当たらない確率のほうが断然高いというエビデンスがあります。

国立がん研究センターで、進行したがん患者75名について医師が予測した余命が実際に的中したかどうかを調査した結果、予測確立は「一致」が33〜36%でした。つまり3分の1程度しか当たらないのです。

この程度の確率しかないのに余命宣告を行うことは大きな問題です。できれば医師による余命宣告は即刻やめてほしいと私は思っています。

同様に「5年生存率」も、過去の数字からのデータでしかなく、患者さん1人ひとりのがんの状態によってまったくわかりませんので、あくまでも目安として受け止めていただきたいと思います。

がんの要因の6割は、偶発的な要因による遺伝子の突然変異

がんの疑いから病院に来られて、確定診断に至るまでに、さまざまな検査が必要です。だいたい2週間から1か月はかかると思います。

それを経て主治医から告知を受けるのですが、その際に、いちばん多い質問は「なぜ、私はがんになったのでしょうか」というものです。

みなさんは、がんの原因は何がいちばん多いと思いますか。生活習慣が悪かったからとか、がん家系だからと思っていませんか。
それも誤解です。

がんができる最大の要因は「偶発的要因」、つまり偶然によるものです。

これが原因の6割を占めます。