ガソリン価格の上昇が止まりません。値上がりは14週連続で、特に2月後半から値上がり幅が大きくなっています。その背景には何があるのでしょうか。

3週間で5円アップ

 ガソリン価格の上昇が止まりません。資源エネルギー庁が2021年3月3日(水)に発表した石油製品の価格調査結果によると、3月1日(月)時点におけるレギュラーガソリンの店頭における現金小売価格の平均は、1リットルあたり144.6円。値上がりは14週連続で、約1年前、2020年3月9日調査以来の高値水準となっています。

 とりわけ、2月後半からの値上がり幅が大きくなっています。2月15日(月)調査では前の週と比べて全国平均で1.8円、22日(月)調査では1.7円、そして3月1日(月)調査では1.5円と、3週間で計5円、値上がりしています。北海道などは、2月22日(月)調査で前週からの値上がり幅が3.3円を記録しました。

 価格調査を受託している石油情報センターによると、価格上昇の要因は原油価格の上昇とのこと。世界的に新型コロナのワクチン接種が始まるなどして、早期の収束と経済回復への期待感が高まっていることが、原油価格を押し上げている――というトレンドがあるといいます。

 しかし、2月後半からの値上がりについては、別の要因があるそうです。

「砂漠地帯の大寒波」影響

 2月後半以降、日本におけるガソリン小売価格の値上がり幅が大きくなっているのは、石油の生産地であるアメリカ・テキサスにおける大寒波の影響だと石油情報センターは話します。

「砂漠地帯のテキサスに寒波が来たため、石油の生産と出荷が滞り、その影響が尾を引いています。これにより原油の仕入れ値が上がってしまい、日本の石油元売りも卸値を引き上げ、それが小売価格に反映されているのです」(石油情報センター)

 同センターでは来週、3月8日(月)調査でも値上がりを予想しているとのこと。すでに3月4日(木)から、翌週にかけての卸値が2円引き上げられているそうです。

 ただ、取材した3月4日(木)に行われた、産油国でつくる「OPECプラス」の閣僚級会合の結果が、今後の小売価格に影響しそうだといいます。この会合では、新型コロナによる石油の需要減を受け、各国が続けていた石油減産の緩和が議題の焦点でした。「これに向けて、ここ2、3日は原油価格が上がり下がりしています。市場にネガティブな反応が出れば、下がる可能性もあります」ということです。

 前出の通り、現在の日本におけるガソリン価格は、およそ1年前以来の高値水準ですが、「新型コロナで石油需要が減退した2020年が異常に安かったので、2018年や2019年と比べるとまだ安い状況です」と石油情報センターは話します。

 ちなみに、現在のガソリン価格は原油価格に直結する傾向があり、国内においては緊急事態宣言などの影響はほとんどないといいます。

 一方、世界的には、減退していた石油製品の使用量は間違いなく回復してきているとのこと。とはいえ、「ただ当初の見通しよりは回復が遅く、今年の需要予測を下方修正するケースが増えています」ということです。