道路の照明といえば、高いポールの上から照らすタイプが一般的ですが、橋の側面などから路面のみを照らす「低位置照明」が近年増えています。これまでにないメリットも生まれているようです。

壁や橋の低い位置から路面を照らす

 道路照明といえば、道路脇のポールの上から道路全体を照らすタイプが一般的ですが、近年、高速道路では「低位置照明」なるものが増えています。箱型の照明器具を、道路の側壁や橋の高欄(手すり部)に連続して設置し、路面を直接照らすタイプのものです。

 たとえば東京湾アクアラインの橋の部分(アクアブリッジ)は、2014(平成26)年に従来のポール式照明が全て低位置照明に置き換えられました。新規開通の道路では、新東名高速でも要所で採用されています。

 東名高速では、渋滞ポイントである大和トンネル(横浜町田IC〜綾瀬スマートIC間)の拡幅工事が進められていますが、2021年4月現在、この前後区間も既存のポール式照明が撤去され、低位置照明が設置されています。NEXCO中日本東京支社によると、拡幅に際し既存の照明柱が支障したこと、また改築後は照明柱の新設が困難になることから、低位置照明を設置したといいます。

 このように低位置照明は、スペースの厳しい場所でも設置が可能なほか、ポール式のように高くないので維持管理も容易になるのだそう。メリットはこれだけでなく、採用箇所にも特徴があります。

「路面を直接照らす」低位置照明ならではの利点とは?

 低位置照明のメリットのひとつが「光害」の防止です。新東名の相模川を渡る区間の前後では、相模川にすむアユの生育に配慮するという目的もあり、低位置照明が採用されています。

 2018年に行われた当該区間の現場公開時、NEXCO中日本の担当者は「夜間に橋を下から見上げても、クルマのヘッドランプが見える程度でしょう」と話していました。

 2021年4月に開通したばかりの新東名 新御殿場IC〜御殿場JCT間でも低位置照明が採用されています。こちらは、標高が高く霧が発生しやすいという条件があります。低位置照明であれば、光の拡散を抑え、霧のなかでも車線を確認しやすいのだそうです。

 またLEDのためエコなのも特徴で、アクアラインの橋ではポール式から低位置照明への置き換えにより、電力消費量とCO2排出量を約40%削減したといいます。

 ちなみに、道路照明はすべての場所に設置されるわけではありません。国土交通省が基準を設けており、高速道路ではICや料金所付近、休憩施設においては原則的に照明を設置、道路の幅や線形が急に変化する場所、橋、バス停などでは必要に応じて設置するのがよい、とされています。