ランドクルーザーは悪路走破性と積載能力に優れていることから、世界中の公的機関においても重用されています。パトカーとして用いられているのは日本でも同じこと。新型ランクルの導入が確実視される警察車両を見てみます。

ランクル歴代モデル調達済みの警察車両とは

 トヨタの新型「ランドクルーザー」300系が2021年6月10日(木)、発表されました。かつて国産の大型クロスカントリー車というと、三菱「パジェロ」や日産「サファリ」、いすゞ「ビッグホーン」などもありましたが、それらはすでに国内販売を終了しており、事実上ランドクルーザーおよびランドクルーザープラドの2車種のみとなっています。

 しかし、大型クロスカントリー車は、堅牢性や走破性、積載量などの点から、警察や消防を含む官公庁向けのいわゆる官用車としても高いニーズを有しています。そこで新型となるランドクルーザー300系が採用されると推察される警察車両を、いくつかピックアップしてみました。

 まず、ほぼ間違いなくランドクルーザー300系が用いられるであろう警察車両として筆頭に挙げられるのが、機動隊の現場指揮官車です。

 これはその名のとおり、警備や大規模災害などの現場において、指揮官が部隊を指揮するための車両で、車体上部(屋根上)には折り畳み式の櫓(やぐら)が設けられており、その前後には大型スピーカーを装備しているのが特徴です。また投石などによる損傷を防ぐために窓ガラスやスピーカーの開口部などには金網が取り付けられています。

 指揮官車は、これまで連綿とランドクルーザーが用いられており、既存モデルの100系や200系についても所定の改造が施されたうえで全国に配備されています。障害物の上や悪路を踏破できるよう指揮官車には基本的に4輪駆動車が用いられており、一時は三菱「パジェロ」が調達されたものの、現在は国産の大型クロスカントリー車はランドクルーザーしかないため、新型の300系も調達されるでしょう。

 なお警視庁には、機動隊とは別に交通機動隊にもランドクルーザーの現場指揮官車が配備されています。こちらは金網などがない代わり、車体前面にグリルガードを装備しています。

覆面パトカー仕様のランドクルーザー

 ランドクルーザーは、覆面パトカーとしても多数使われています。代表的なのが、機動隊に配備されている「小型遊撃車」などです。「遊撃」とは状況に応じて臨機応変に動き回れるものという意味で、警察車両では機動力を有したクルマを指すことが多いです。

 遊撃車には、マイクロバスがベースの車両やワンボックス車を用いたものなど各種ありますが、ランドクルーザーは着脱式の赤色灯を装備するなどして、機動性と隠密性を兼ね備えた警備車両として用いられています。また車両によっては、防弾防爆加工が施された高い防御力を有するものもあります。

 ほかにも、要人警護に用いるための警護車(遊撃警護車含む)として調達されているほか、公安の捜査車両としても用いられるなど、運用の幅は意外と広いクルマです。

 万一の際、「壁」になりうる車体サイズと、高級感のある車格、そして高い機動性を有していることから、ランドクルーザー300系もそのうち配備されるのではないでしょうか。

 ちなみに大阪府警には、ランドクルーザープラドがベースの「地域遊撃車」という車両もあります。これは車をぶつけての逃走を防ぐために導入した車両で、逃走車があたってきても大丈夫なよう、フロントバンパーに大型のグリルガードを備えています。

都道府県が独自調達しそうなランクルパトカー

 前出の現場指揮官車や覆面パトカー以外に、ひょっとしたらランクルが導入されるであろう車種として挙げられるのが災害活動車(災害活動用高床バン型車)です。

 災害活動車は、災害現場への人員や物資、資機材の輸送や、現場の状況確認など、多用途に用いるための車両で、悪路走破性に優れた4輪駆動車であることが求められます。

 これまで三菱「パジェロ」やスバル「レガシィ・アウトバック」(現アウトバック)といった車種が納入されたこともありましたが、近年では積載能力や悪路走破性などからランドクルーザープラドが調達されています。

 加えて大分県警および熊本県警は、ランドクルーザーをベースに車高を上げ、グランドクリアランスを稼いで悪路走破性を高めた独自仕様を導入しており、将来的にもしかするとランドクルーザー300系が導入される可能性もあり得るのではないでしょうか。

 なお、これ以外にもランドクルーザーがベースの警察用車両としては、誘導標識付きの事故処理車や衛星通信車、投光車、警察犬搬送車などもあります。

 誘導標識を付けた車両はランドクルーザー以外に、ハイラックスサーフやパジェロ、サファリ、CX-5といった車両がベースに用いられているほか、高速道路会社(NEXCOなど)を含む各地の道路管理者が運用する交通管理隊にもランドクルーザーを含む大型クロスカントリー車ベースのパトロールカーが多数用いられていることなどから、警察の交通系車両として配備される可能性は高いといえるでしょう。