全国に1200ヶ所近くある「道の駅」ですが、地名以外の文字列を冠する駅名もあります。なかには「変わり種」とされる駅名もいくつかあるようです。

「駅名」に地名+αが含まれるパターンが多数

 全国の道路沿線に設置される道の駅は、2021年6月には1193駅を数える大所帯となっています。鉄道と違い国土全体をカバーできることをふまえても、日本の鉄道駅が9000駅超であることを考えると、かなりの数と言えるでしょう。

 さて、道の駅は各地の特色をふまえたバラエティ豊かな施設や商品が展開されていますが、「駅名」も同様です。特産品やゆかりのある人物・動物などを冠するものから、独特のセンスが光るものまであります。2018年にJR山手線の新駅の駅名が「高輪ゲートウェイ」に決定した際「キラキラネーム」だという意見もありましたが、道の駅にはそれを上回るものがありそうです。

●当て字タイプ(漢字)
 昭和〜平成初期にかけて喫茶店やスナックの店名によく見られた、外来語や擬音語・擬態語などに漢字をあてるものです。下記の駅名、いくつ読めるでしょうか。

・季楽里あさひ(千葉県旭市)
・西いなば 気楽里(鳥取県鳥取市)
・風早の郷風和里(愛媛県松山市)
・風和里しばやま(千葉県芝山町)
・南国風良里(高知県南国市)
・路田里はなやま(宮城県栗原市)

 道の駅「南国風良里」は1993(平成5)年の記念すべき第1回登録メンバーですが、道の駅「西いなば 気楽里」は2019年登録の新しい駅です。ちなみに正解は、「きらり」「ふわり」「ふらり」「ろうたりい」です。

「西いなば 気楽里」の名称選定にあたっては公募が行われ、全国から113件応募があった中から「明るさをイメージさせる」という理由で「気楽里」が選ばれています。同じく「季楽里あさひ」も市民から636件の応募があった中から選定、56歳の主婦のアイデアが採用されたそうです。

一発で読める? 英数字まじりの駅名も

 当て字タイプは、なにも漢字だけではありません。

●当て字タイプ(英数字まじり)
 先述の当て字がさらにアクロバティックになったものです。下記の駅名、今度こそいくつ読めるでしょうか。

・風Wとままえ(北海道苫前町)
・633美の里(高知県いの町)
・針T・R・S(奈良県奈良市)

 ちなみに「633美の里」の633にはちゃんと意味があり、面する道路が国道194号と国道439号の重複区間であることから、路線番号を足した数字になっています。正解はそれぞれ「ふわっと」「むささび」「てらす」です。

 なお「むささび」の由来は、駅の所在地の旧吾北村の形が腕を広げたムササビの姿に似ていることだそうです。「風W」の由来は、周囲に点在する風力発電所をイメージしたもの。さらに「T・R・S」にもきちんと意味があり、「Tea Time Resort Station」の略称とされています。

 その他、鹿児島県指宿市の「山川港活お海道」(やまがわみなと いおかいどう)や三重県大紀町の「奥伊勢木つつ木館」(おくいせ きつつきかん)も難読の部類に入るかもしれません。

キラキラしている駅名

 他にも、単なる所在地だけではない、「おっ?」とドライバーの目を引く駅名がいくつもあります。

●ファンキーなノリの駅名

・あ・ら・伊達な道の駅(宮城県大崎市)
・あらエッサ(島根県安来市)
・オスコイ!かもえない(北海道神恵内村)
・北方よっちみろ屋(宮崎県延岡市)
・よってけ!島牧(北海道島牧村)
・和田浦 WA・O!(千葉県南房総市)
・YOU・遊・もり(北海道森町)
・遊YOUさろん東城(広島県庄原市)
・なとわ・えさん(北海道函館市)
 
「あらエッサ」は地名や方言ではなく民謡の「安来節」の掛け声、「オスコイ!」はニシン漁の船漕ぎの掛け声がそれぞれ由来です。最後の「なとわ」は「あなたとわたし」を略したものとのこと。

●記号を使用した駅名

・もち米の里☆なよろ(北海道名寄市)
・ほっと(ハート)はぼろ(北海道羽幌町)
・☆ロマン街道しょさんべつ(北海道初山別村)
・ステラ★ほんべつ(北海道本別町)

ここまでくるともはや芸術?

 鉄道にはない「〜」(波ダッシュ)を使った駅名や、地元の人でないと意味がわからない駅名も存在します。

●ゆる〜い駅名

・つど〜る・プラザ・さわら(北海道森町)
・みなとま〜れ寿都(北海道寿都町)
・ほっとぱ〜く・浅科(長野県佐久市)
・ゆ〜ぱるのじり(宮崎県小林市)

●方言を取り入れた駅名

・きなはい屋しろかわ(愛媛県西予市)…来てください、の意
・ごいせ仁摩(島根県大田市)…来てください、の意
・きなんせ岩美(鳥取県岩美町)…来てください、の意
・よがんす白竜(広島県三原市)…良いですね、の意
・じょんのびの里高柳(新潟県柏崎市)…じょんのびは「ゆったり、のびのびくつろぐ」の意
・うとろ・シリエトク(北海道斜里町)…シリエトクは「陸地の先端」の意味

 このような「遊び心」ある駅名は、全国約1200駅のうちのほんの一部にすぎません。しかし、街おこしにかける地元の熱量が駅名にもにじみ出てきた事例として、ドライブ中にクスリとさせられれば、それは成功なのかもしれません。