つるんとした光沢のある塗装とは正反対な、ツヤのない「マットカラー」を採用したクルマが増えています。ただ、おいそれと手を出せるものではないようです。

日本車にも広がってきたマットカラー

 光沢感を抑えた「マットカラー」を採用するクルマが増えています。
 
 2021年8月にはホンダが同社初のマットカラーを「NSX」の最終モデル「タイプS」に、トヨタも「GRスープラ」に特別色としてマットカラーを採用すると発表したほか、2020年には「GRヤリス」の先行予約限定モデルにマットブラック仕様を用意していました。また「C-HR」などにもホイールをマットブラックにした特別仕様車が登場しています。

 バイクではもはや、マットカラーは当たり前の塗装になっているほか、メルセデス・ベンツなど欧州の高級車では量産色として設定されているケースもあります。黒だけでなく、白や緑など色も様々です。

 マットカラーの塗装は特に新しい技術というわけではありません。東海地方で塗装を手掛けるショップによると、通常のボディ塗装では、色を塗ってから光沢のあるクリア(塗装を保護する塗料)を塗るところ、そこにツヤ消しのクリアを塗るとマットカラーになるとのこと。これにより、表面にすりガラスのような細かな凹凸ができ、独特の質感が生まれるのだそう。光沢感のないベタっとした見た目は、街で見かけても存在感を放ちます。

 日本でも自動車メーカーが特別色に設定するだけでなく、あとからマットカラーにしたクルマもちらほら見かけるようになりましたが、自動車塗料メーカーによると、2000年代以降、メルセデス・ベンツを中心に採用例が増え、欧州ではもう市民権を得ているということでした。

 ただ、そのお手入れはかなり大変なようです。

 前出のショップによると、表面に凹凸があるため汚れも堆積しやすいものの、傷防止の観点から洗車機はNGだといいます。また、一般的にコンパウンドなどの洗車用品は磨いてツヤを出すものなので、それらを使うのも避けるべきだといいます。

「こうしたクルマを買われる方は、洗車も手洗いの方が多いですから、当然ご理解いただいているでしょう」

 メルセデス・ベンツ日本に以前聞いたところ、こう話しました。