「キング オブ リゾート」ハワイ。実は所定の手続きを踏めば、現地での隔離なく、到着後すぐに行動することができます。複雑なこの手続き、どういったものなのでしょうか。実際にこれを用いてハワイに行ってきました。

陰性証明+パスポートだけじゃダメ!

 2021年10月1日から、政府は国内に発出されていた緊急事態宣言を一斉解除するとともに、これまで14日間だった海外から帰国した際の自主隔離期間を、ワクチン接種済みの人を対象として10日間に短縮すると発表しました。海外への渡航のハードルが少し下がったといえるわけです。

 一方で、海外では日本より先んじて、規制を緩和する国や地域もあります。そのなかのひとつが、日本人にとっての「キング オブ リゾート」、ハワイです。

 日本人によるハワイ州への渡航については、所定の手続きをクリアすれば、通常10日間とされる到着後の自主隔離なく、ハワイ到着からすぐに行動を開始することができます(ただし現在同地域は10月まで旅行自粛が呼びかけられている)。

 現地での隔離なしでハワイに渡航するには、おもに3つの準備が必要です。

・パスポート・ESTA(電子渡航認証システム)の用意をする(期限が有効かどうか確認する)。
・出国72時間以内にハワイ州保健局指定の医療機関でPCR検査を受け、陰性証明書を発行してもらう。
・ハワイ州のウェブサイト「Safe Travels Program」へ渡航情報などを登録。陰性証明をアップロードし、スマートフォンにQRコードを保管しておく。

 このほか、出発前に、コロナ関連の宣誓書を印刷したうえ、記入が必要です。なお、パスポート、ESTA以外の項目は、新型コロナウイルス感染拡大下で、新たに追加されたものとなります。おもに隔離免除のハードルとなるのは、陰性証明書の発行とアップロードでしょう。

陰性証明書のクリニック選び そして最大の難関

 陰性証明書は、ハワイ州保健局指定の医療機関で受診し、ハワイ州保健局が指定する形態での提出が求められます。当然ながらすべてのクリニックで証明書が発行できるわけではありません。

 なお、クリニックによっては「当日発行OK」のところもあるものの、受診から、結果判明と書類受け渡しまでに数時間を要するのが一般的。記者が受診した医療機関でも、当日13時に検査し、証明書の交付は19時ごろでした。このように、「当日発行OK」のところでも、これを逆算して医療機関の選定やスケジュールを組む必要があります。

 そして渡航数日前から、ハワイ州のウェブサイト「Safe Travels Program」へ登録のうえ、健康状態や渡航情報を徐々に記入していきますが、これが実のところ、なかなかの”クセモノ”です。

 このサイトには、パスポート番号や個人情報のほか、搭乗予定の便名、宿泊先のホテルといったものを入力します。サイトの説明は日本語に切り替えることができますが、住所などの入力情報は「アメリカ式」です。また健康状態の入力は、出発24時間前にならないと作業できないなど、”早めの準備”が通用しない箇所もあります。

 一通り入力を終えたあと、医療機関から発行されたハワイ州の陰性証明書をPDFファイルで添付します。証明書をカメラで撮影したファイルは対応不可で、原本をスキャンし、サイト上にアップロードする必要があります。家庭内でスキャンできない場合は、コンビニなどのプリントサービスを使用すると良いでしょう。

 なお、この「Safe Travels Program」で発行されたQRコードは、ハワイ入国時やホテルのチェックインで必要となるので、スマートフォンからすぐに用意できるようしておく、というのも注意点です。

チェックインの様子も違う

 そして当日、日本の空港から出発する際のチェックインも、コロナ前の倍以上の時間がかかると考えた方がいいでしょう。これは通常の搭乗前手続きに加え、ホノルル現地到着後の自己隔離免除の審査を搭乗前に実施する「プリクリアランス(事前検疫審査)」の手続きが加わるためです。

 ちなみに宣誓書は事前に印刷・記入のうえ、このときに提出します。ただ、記入自体は3分で終わるものですので、最悪「用紙をもっていけばなんとかなる」ともいえます。

 2021年8月9日に出発したANAの194便(成田発ホノルル行き。総2階建てのエアバスA380型機が約500日ぶりに同路線に投入された)では、チェックインを実施したのち、隔離免除希望者はその隣にあるプリクリアランス用カウンターにもう一度並び、所定の手続きを行うといった流れでした。

 すべてクリアすると、搭乗券に「隔離不要」の意味を持つ青いシールが貼られ、これをハワイで入国手続きの際に見せれば、現地到着から即行動を開始することができます。

 このように搭乗前の手続きこそ、以前と比べて見違えるほど複雑にはなっていますが、それを済ませ自己隔離が無事免除となると、2021年10月現在でも、「隔離ナシでハワイに行く」ことは可能といえるでしょう。少なくとも、ハワイへ入国するまでに限定すれば、記者がハワイへ向かった8月お盆の時期と状況は大きく変わっていません。

 2021年10月現在のハワイでは、レストランをはじめとする施設を利用する際、ワクチン接種証明書とともに身分証明書の提示が義務付けられるようになりました。ただ、日本国内のワクチン接種率も夏頃から大幅に向上していますので、接種証明取得のハードルは高くないでしょう。一方で、日本帰国後最短10日の隔離がさらに縮まるのは、もう少し先になりそうです。