北陸新幹線の金沢〜敦賀間の延伸開業に向け、福井駅付近の九頭竜川に架かる橋も工事が大詰めを迎えています。新幹線と道路の橋が一体となった珍しい「併用橋」ですが、どのような姿になっているのでしょうか。

新幹線も道路も橋桁架設は完了

 2024年春の北陸新幹線金沢〜敦賀間の延伸開業に向け、工事が大詰めを迎えています。その中で、福井駅から約4km北側に位置し、九頭竜川にかかる「新九頭竜橋(仮称)」も完成を待つ状態です。

 新九頭竜橋の特徴は、新幹線の橋と、その左右を通る道路橋が、一体化して同じ橋脚で支えられている点です。これは「併用橋」と呼ばれ、似たような事例ではゆりかもめの線路と道路が一体化したレインボーブリッジや、千曲川にかかる長野電鉄の村山橋などがあります。しかし、新幹線と道路の併用橋は国内初となります。

 新九頭竜橋が一体構造になったのは、コスト削減や工期短縮のほか、河川管理者(一級河川では国土交通省)の許認可を得られやすいという背景もあります。別々の橋を近接して架けることは「橋脚が密集し、洪水時や周囲環境に悪影響がある」等の理由で、河川占用などの手続きで障壁となることがあるのです。

 その新九頭竜橋、新幹線の橋は今年6月に桁がすべてつながり、10月現在は架線柱の設置も完了している状態です。道路橋も桁の架設が完了し、現在は欄干や排水設備、歩車道境界ブロックなどを設置する段階となっています。

新幹線どれだけ見える? 見た目は「ただの道路橋」

 ほぼ完成に近づいた新幹線・道路併用橋で気になるのは、「新幹線をどこまで間近に見られるか」ということかもしれません。実際にどうなっているのか、現地で確認してみました。

 最初に気がついたのは、道路が想像以上にアーチ型の形状をしていることでした。計画段階で公開されていたパース図では、新幹線と道路が一見すると並行しているようですが、橋の端部ではかなり道路が下がっています。新幹線の桁下が見えるほど、新幹線と道路では高低差がありました。

 道路橋のアーチ最上部で両者は最接近。ここでは地覆(欄干の基礎となるコンクリート壁)のてっぺんと鉄道橋の防音壁最下部が同じ高さくらいに見えました。防音壁は高さ2mで、JR西日本によると、通過する新幹線が見えるのは窓から上の部分だそうです。とはいえ、道路橋からは見上げる位置関係なので、橋の最上部以外では、見える範囲はもう少し狭まるかもしれません。

 遠目に見るとやはり新幹線と道路の橋は一体化しています。というより、新幹線を挟み込んで隠すように両側に道路があるため、傍目にはふつうの道路橋に見えます。開業後は、「一見ふつうの道路橋を自動車が走行しているところに、新幹線が通過していく」という、不思議な視覚体験ができるかもしれません。

 こうして新幹線初となった併用橋に新幹線が走り出すのは、2024年春を予定しています。ほかにも新幹線としては初の1面2線(島式ホーム1本で線路2本だけの構造)となった福井駅や、やはり北陸新幹線初の「ひらがな駅名」となった越前たけふ駅と、福井県内は「初ずくめ」となっています。

※一部修正しました(10月23日15時45分)。