福井県と岐阜県を東西に結ぶ中部縦貫道、その九頭竜湖付近の工事が進捗しています。開通は来年度。福井県内の交通が劇的に変わりそうです。

長い山道を楽々ショートカット 開通に期待かかる

 山岳で隔てられた福井県と岐阜県が「近く」なります。北陸道の福井北JCTから東海北陸道の飛騨清見JCTを経由し、長野道の松本JCTまでをむすぶ「中部縦貫道」のうち、福井・岐阜県間をむすぶルートの最後の事業区間である「大野油坂道路」の工事が進捗しています。現地を2021年10月に見てきました。

 大野油坂道路は、福井県大野市の市街地から九頭竜川上流の山岳地帯をトンネル主体で抜け、県境付近の油坂峠道路に接続します。開通後は北陸道と東海北陸道が1本の高速道路で結ばれ、所要時間が大幅に短縮される見込みです。

 この「大野油坂道路」のうち、大野ICから和泉ICまでは2022年度の開通予定です。和泉ICはJR越美北線の終点・九頭竜湖駅のすぐ北側に設置される予定で、途中の勝原IC、下山ICも同線の勝原駅、越前下山駅付近に位置します。来年度には越美北線の運行範囲がすべて高規格道路でカバーされることになります。

 2021年9月末の時点で、4本のトンネルのうち、荒島第一トンネルと下山トンネルは完成済み。残る荒島第二トンネルと和泉トンネルも工事が半分以上進行しています。また橋梁部も、真名川を渡る橋梁をのぞいて橋脚など下部工はおおむね完了。盛土部など土工が急ピッチで進められています。IC設置箇所でも、現道接続部の補強土壁の構築が進み、完成形が見え始めていました。

 下山トンネルに直結する九頭竜川橋はほぼ完成形で、欄干などの付帯施設の工事に入っています。橋脚と桁が一体となった「ラーメン構造」が採用され、重厚ながら全体的にスリムな姿です。

 現道である国道158号は2車線とはいえ道幅が狭く、急カーブが連続する長い谷筋の山道が30km以上続く難所で、ドライバーを疲弊させる区間となっています。そのため実際以上に心理的な距離があった福井・岐阜の両県間移動でしたが、まもなくその半分が解消、5年後にはすべてショートカットとなる見込みです。

 また、都市間高速バスの新路線にも期待がかかります。2021年8月には中部横断道の山梨〜静岡間の全通に際し、休止中の「静岡甲府線」が所要時間2時間未満で運行再開、10月には三陸道の全通に際し仙台〜気仙沼〜宮古をむすぶ路線が運行開始しています。福井市と高山市を直結するバスは現在運行がなく、名古屋などを経由する必要があります。今回の短絡道路の開通は、福井から上高地、白川郷などへ向かう、新たなバスネットワークが構築されていく土台にもなりそうです。