駅名は同じなのに、お互いに距離があって乗り換えが大変な駅――そんな駅がSNS上で話題になっています。注意が必要な駅、たとえばどんな駅があるでしょうか。

「ここは気を付けろ!」先人たちの知恵集まる

 2021年12月9日現在、Twitterを中心にハッシュタグ「#名称は同じだが徒歩連絡はやめるべき駅」という話題がトレンドになっています。

 この話題は「同じ駅名なのに、乗り換えようとしたら予想以上に徒歩移動を強いられる、注意すべき駅」を挙げていくという主旨のようです。といっても想像している「同駅乗り換え」は様々なパターンがあり、その意味合い、ひいては乗り換えの大変さには、それぞれで大きな差が存在します。

「同じ駅の扱いだが移動距離が長い」場合

 新宿駅や大阪駅(梅田駅)など大ターミナル駅はもちろんですが、中には「同じ鉄道会社どうしの乗り換え」も大変な場合があり、初訪問だと予測がしにくいため、より注意が必要となります。

 首都圏の駅で多く挙がっていたのが、JR武蔵小杉駅です。東急線の改札口やJR南武線ホームと、横須賀線・湘南新宿ラインのホームとの間は500m近い距離があり、徒歩移動は7〜8分かかります。

 これはたまたま近くを通っていた横須賀線の線路に駅を新設し、同じ武蔵小杉駅としたことが背景にあります。横須賀線への武蔵小杉駅の開業により、南武線ユーザーが東京駅などへ向かう際、わざわざ川崎や立川まで行って乗り換える必要がなくなりましたが、引き換えにこの「徒歩移動」が生まれました。

 首都圏で同様の例は、東京駅の京葉線地下ホームです。東京駅の他路線との移動距離は約600mで、駅の中心部どうしで比べると、隣の有楽町駅のほうが近いかもしれません。

 都心部の地下鉄駅では、このような「同駅でも乗り換え距離が長い」例が散見されます。東京メトロ・都営地下鉄5路線のホームが複雑に折り重なる“ダンジョン”大手町駅はもちろんのこと、東京メトロ銀座線・半蔵門線の三越前駅や、都営地下鉄浅草線・大江戸線の蔵前駅など、同じ鉄道会社にもかかわらず「いったん改札を出て数百メートルを徒歩移動」というものもあります。

「同じ地域にあるが場所が大きく異なる」場合

 おおまかな路線図を見て、「一緒の街の同じ駅名だから、きっとすぐに乗り換えられるはずだ」と思っても、乗り換えとはほど遠いレベルで離れている場合があります。

 ネット上で多く挙がっていたのが「浅草駅」そして「六甲駅」「足柄駅」です。

 浅草駅は東武と東京メトロ、都営地下鉄、つくばエクスプレス(TX)の駅がありますが、都営浅草線の駅は東武の駅から約250m南に位置し、TXに至っては、浅草寺を抜けてさらに西側の国際通りにあります。

 関西に目を向けると、六甲駅が阪急神戸線に、神鉄六甲が神戸電鉄有馬線にあります。しかしこの2駅、急峻な「六甲山地」を隔てて南側と北側、全く違う場所にあります。

 愛知県春日井市には、名鉄小牧線とJR中央本線にそれぞれ「春日井駅」があります。しかし、それぞれ市域の西端と東端のような位置関係です。前者は春日井という地名の元祖とも言える「(旧)勝川町大字春日井」に開業、後者は市町村合併で春日井市となったのを受けて駅名変更で誕生しました。由緒があるのは名鉄のほうだと言えます。

 それらと、別次元にあるのが足柄駅。JR御殿場線の駅は静岡県小山町にあり、小田急小田原線の駅は小田原市にあります。どちらも足柄山地の麓で、同じ村名である旧足柄村にあったことを由来としています。

 その2駅を「徒歩で乗り換え」するのに必要な距離は……24.6km。2019年に旅の文筆家・蜂谷あす美さんがチャレンジしましたが、峠越えを経て、所要時間は約6時間50分。感想は「(この乗り換えをすることは)たぶん、もう二度とないと思います」でした。

「たまたま同名というだけで、地方レベルで離れている」場合

 最後に、全くお互いが無関係で、別々の地方にある、同じ名前の駅名の例を紹介します。駅名が被るパターンは無数に存在しますが、中でも「白石駅」は北海道札幌市と宮城県白石市、熊本県芦北町の3か所にあり、直線で結ぶと約1700kmの距離があります。ちなみにこの白石駅、同じ札幌市内でもJR函館本線と札幌市営地下鉄東西線の2駅が約2km離れており、普段の生活でも「乗り換え」しにくい駅と言えるでしょう。