「郊外線の新型車両」詳細は後日発表するそう。

主要プロジェクトに「新型郊外電車車両の導入」を明記

 伊予鉄は2023年5月31日、鉄道事業・軌道事業の旅客運賃上限変更認可申請を提出。あわせて2026年度までの設備投資を発表しました。

 2023年度設備投資額は6億9400万円を予定していますが、2024年度は20億2200万円と大幅に増加する見込みです。設備投資の主要プロジェクトには「新型郊外電車車両の導入」「新型LRT車両の継続導入」「郊外電車変電所の整備」「駅の整備」を盛り込んでいます。
 
 伊予鉄は、松山観光港などに向かう電車を「郊外電車」、路面電車を「市内電車」と呼んで区別しています。「郊外電車」には、京王電鉄5000系を改造した700系と、京王電鉄3000系を改造した3000系、伊予鉄が自社発注で製造した610系があります。3000系はVVVFインバータ制御に改造されており、LCD式の車内案内表示器を備えるなど、大都市圏の通勤電車と比較しても遜色ないレベルまでグレードアップされています。
 
「新型郊外電車車両の導入」では、「老朽化した車両の代替更新のため、VVVFインバータを搭載した環境にやさしくバリアフリーに対応した新型車両」の導入を明記。「消費電力の少ない軽量化車両に更新し、さらなる安全輸送の確保と環境負荷の低減を図る」方針です。この新型車両について伊予鉄は「現在検討しており、後日詳細を発表する」としています。この「新型車両」が他社からの中古車両を改造したものではなく、新造車両であれば、地方私鉄としては静岡鉄道のような珍しいケースとなります。

「新型LRT車両の継続導入」では「バリアフリー化の推進、老朽化した車両の代替更新のため、新型低床車両を継続導入」するとしています。市内電車では、新型LRT車両の5000形の導入が進んでおり、増備が見込まれます。

※一部修正しました(6月2日11時10分)。