南浦和〜東浦和は駅間距離が3.7kmと長く、新駅の構想があります。

最近の動きはどうなっている?

 武蔵野線の南浦和〜東浦和間は3.7kmと比較的長く、中間の南区内に新駅「明花駅(仮)」を設置する構想があります。

 旧浦和市時代からある構想で、近年は西側の大谷口周辺で土地区画整理事業が進行し、人口増加が予想されています。ここはいまだに交通空白地帯で、長らく地元要望も行われています。現在どうなっているのでしょうか。

 2020年のさいたま市議会「まちづくり委員会」では、明花新駅の設置について「JRに設置要望を行ってはいるが、きちんと収支が出るようなビジョンを持っていかないと話にならない状況」といった主旨の答弁があります。

 新駅の便益を確保するためには「周辺を開発して、人がたくさんいる街にする」というのがセオリーです。そのひとつが駅整備を盛り込んだ土地区画整理事業ですが、このエリアではその区画整理事業に反対する声が上がっていて、十分な街づくりをするための進展が難しい状況とのことです。

 明花新駅の南側にはすぐ川口市域が迫っていますが、川口市は新駅に対して特段のスタンスを持っておらず、むしろ東浦和〜東川口間に別の新駅を要望している様子です。さいたま市としては、川口市も引き込んで検討をしていきたいとしています。

 とは言いつつも、市は鉄道駅の設置ではなく、どちらかと言えばコミュニティバスの導入で交通空白地帯を埋めようと考えているようです。その方針は2011(平成23)年の「コミュニティバス等導入ガイドライン」に現れており、すでに岩槻区和土地区や東大宮〜土呂をはじめ市内7か所で乗合タクシーが導入済み。AIデマンド交通も視野に、地元要望があれば導入検討を進める構えだとしています。