ここだけかなり工事進んでるし!

上尾道路を“迂回路”に 県道の改良計画が具体化へ

 埼玉県の北本県土整備事務所が2024年5月、前月に実施した「県道鴻巣川島線(鴻巣市箕田)立体交差事業」の地元説明会資料などをウェブサイトで公開しました。

 県道鴻巣川島線は、鴻巣市のJR高崎線の南側から線路をまたぎ(駅間でいうと鴻巣ー北鴻巣)、国道17号「箕田(南)」交差点へ接続している路線です。そこを左折するとすぐの「箕田」交差点で、群馬方面へ通じる国道17号の「熊谷バイパス」が分岐しています。

 この熊谷バイパスには、建設中の「上尾道路(II期)」が接続予定です。東京から群馬まで通じる国道17号バイパスにおける最後の未開通区間であり、幅員57mにもなる巨大道路。これが県道鴻巣川島線にも接続することから、JR線の踏切がボトルネックとなるため立体交差化が検討され、「アンダーパス案」と「オーバーパス案」を比較検討のうえ、後者を採用することになったといいます。

 この近くにはすでに、「上尾道路」がJR線をまたぐ高架橋が1本架設済みです。上尾道路の高架橋はすぐに地上へ降り、県道鴻巣川島線とは地上で平面交差するそう。その交差点に近接する形で、県道鴻巣川島線のJR跨線橋が設けられる計画となっています。

 また、県道鴻巣川島線のJR跨線橋を工事する際は、「全面通行止での工事となり迂回路が必要」とのこと。その迂回先は「上尾道路」を考えているそうです。

上尾道路、先行開通あるか

「上尾道路が県道鎌塚鴻巣線(JR線の南側で現国道17号に並行する旧中山道)に接続すれば、県道鴻巣川島線の迂回路を確保できると考えている」と北本県土整備事務所の担当者は話します。

 つまり、現状で県道鎌塚鴻巣線(旧中山道)から「県道鴻巣川島線→現国道17号→熊谷バイパス」という右左折を繰り返す区間のみ、「上尾道路」を開通させることで迂回可能になるというわけです。

 県は、建設中の上尾道路を迂回路として利用することについても調整が済んでいないため、県道鴻巣川島線の「工事着手までの具体的なスケジュールは未定」としています。また、高架橋案については「最短で調査設計に3年、工事に5年程度を要する」としています。

 上尾道路(II期)は、圏央道 桶川北本ICから箕田交差点までの9.1kmですが、工事まで進んでいるところはわずかです。あと3年で開通できるなどとは到底考えられません。しかし、JR高崎線の交差部前後は、高架橋1本の架設を終えているように、そのなかでもかなり進んでいます。県道工事との調整次第で、県道鎌塚鴻巣線(旧中山道)から県道鴻巣川島線、ないし箕田交差点までの1km弱について部分的に開通させ、迂回路として使用する可能性もゼロではなさそうです。