同型「のしろ」は姉妹艦として海外派遣にも初参加。

日本海側に初めての配備

 防衛省は2024年5月21日(火)、三菱重工長崎造船所(長崎県長崎市)において、護衛艦「やはぎ」の引渡式および自衛艦旗授与式を実施しました。式典では、三菱重工と防衛省のあいだで引渡書と受領書の授受を行ったのち、三菱重工の社旗が降ろされ、かわって自衛艦旗が「やはぎ」艦尾に掲揚されました。

「やはぎ」は、もがみ型護衛艦の5番艦で、2021年6月24日に起工し、2022年6月23日に進水しています。船体サイズは全長133.0m、幅16.3m、深さ9.0m、喫水4.7m、基準排水量は3900トンで、乗員数は約90名。主機関はガスタービンエンジンとディーゼルエンジンの組み合わせで、軸出力は7万馬力、速力は約30ノットです。

 艦名は、長野県、岐阜県、愛知県の中日本3県を流れる「矢作川」に由来し、旧日本海軍では筑摩型防護巡洋艦の2番艦「矢矧」、阿賀野型軽巡洋艦の3番艦「矢矧」で使用したことがあるものの、海上自衛隊で用いるのは初めてです。

 配備先は、京都府の海上自衛隊舞鶴基地に所在する第14護衛隊になります。従来もがみ型は、太平洋に面した神奈川県の横須賀基地、東シナ海に面した長崎県の佐世保基地にへの配備であり、「やはぎ」は初の日本海側、舞鶴基地の所属艦になります。

 なお、海上自衛隊ではもがみ型護衛艦を12隻建造する計画で、そのうち今回の「やはぎ」含めて5隻が就役済み。このほかに6番艦「あがの」、7番艦「によど」、8番艦「ゆうべつ」の3隻が進水済みで、現在就役に向けて艤装や公試中です。

 残る4隻についても今後5年以内に就役する見込みのため、2029年ごろまでには12隻すべてがそろう予定となっています。