限られた用地で交通容量に応えている東京23区内では、初見でかなり戸惑うような構造の交差点も多くみられます。右側車線がいきなり右折レーンに“変身”するのは当たり前。注意すべきトラップのような5か所を紹介します。

スイスイ快適アンダーパス→まさかの右折レーンに“変身”

 東京23区内の交差点で、進むべきレーンを間違えて焦った経験のある人は少なくないでしょう。近年はカーナビの性能向上により、進むべきレーンの案内も受けられるようになりましたが、それでも、走っている車線がいきなり右折レーンになってしまうようなケースも多々あります。今回はそんな、わかりにくい交差点のうち、とくに看板などでの案内の不足で「初見殺し」になっている交差点を5つ紹介しましょう。

●国道254号「春日通り」 池袋六ツ又陸橋交差点(豊島区)

 この交差点は地上の変則6叉路(春日通り側道×明治通り×環状5号線側道×その他街路)の上空に、高架上の3叉路(春日通り×環状5号線)、さらに首都高の本線高架橋が上をまたぐという3層構造の複雑な交差点です。問題となるのはその最下層の交差点内です。

この交差点内には、そもそも複数の巨大な橋脚が立ち、見通しを悪くしています。ここで春日通り下り側道から、地図上ならびに案内標識上も“直進方向”に見えがちな池袋大橋方面(駅西口方面)に進むには、2車線のうち右側車線を選択する必要があります。しかし交差点手前には手がかりとなる情報は皆無。交差点内の導流帯が唯一のガイドとなるものの、前方に他車がいると全く見えません。

 この右折レーンから、明治通り外回り方向への右折も難解です。正解は交差点内右手にそびえ立つ橋脚の左側を回り込むルートですが、橋脚右側の延長線上に明治通りを渡る横断歩道が見えているため、うっかりすると右側を“逆走”しかねないのです。

 交差点手前でのわかりやすい案内が求められます。

●都道317号「山手通り」内回り 大山東町交差点&板橋電話局前交差点(板橋区)

 山手通りこと東京の“環状6号線”は、実際には“左半分”だけの半環状道路で、板橋区と品川区を南北に結んでいます。内回り(南行き)は板橋区仲宿で国道17号「中山道」から分岐する形で始まりますが、地上の側道のほか、その分岐点北側から約600m南の「大山東町」交差点まで2車線のアンダーパスで一気にくぐり抜けることも可能です。

 ただ、このスイスイのアンダーパスを抜けた先に注意ポイントが。そのまま進むと、アンダーパスからの2車線のうち右側車線が、まるごと右折レーンになり、次の「板橋電話局前」交差点に通じています。

 そのため、アンダーパスの右側車線を出て直進したいクルマは、ただちに左側への車線変更を強いられ、流れが滞ることもしばしば。この規制を知っている人は、車線変更が禁止されている地下道の入口から左側車線を選択するため、左側車線だけが混雑し、2車線道路が「実質1.3車線」くらいにしか機能していません。

 板橋電話局前で右折した先は、住宅街に入る細い道なので、右折レーンにクルマが並ぶことはごく稀です。以前は、アンダーパスからの2車線がそのまま左にオフセットし、交差点手前で短い右折レーンが現れる形態でした。現在の交通実態からすると、昔に戻した方が流れもスムーズかつ安全になるのでは、と思わずにはいられません。

右折2レーンのどっちを選ぶかで命運が分かれる!?

●港区道1072号北行き(駒沢通りの延長部) 南青山七丁目交差点(港区)

 JR恵比寿駅前から駒沢通り上り線を北上すると、道路名は渋谷区道887号、さらに港区道1072号へと変わり「南青山七丁目」交差点で都道412号六本木通りと交差します。この交差点では、クルマの流量に配慮して、右折車線が2車線分とられていますが、注意すべきはその2車線のうち「右側車線」です。

 その理由は、右側の右折レーンから導流帯に沿って進むと、六本木通りの上を走る首都高3号渋谷線の高架下、2本の橋脚の間の車線に入ってしまうからです。

 この車線は左側(歩道側)の車線とは分離帯で区切られているため、つぎの信号の「高樹町」交差点での左折は不可能。そのままだと外苑西通りとの交差点「西麻布」を渡る立体交差へ進んでしまうので、西麻布交差点で右左折したい場合は高樹町交差点の先で、首都高の高樹町入口のレーンもまたいで側道に入る大胆な車線変更を強いられます。

 さらに、戸惑ったままで西麻布の立体交差をそのまま進むと、今度は「六本木六丁目」交差点で右車線が赤羽橋方面への右折レーンになってしまいます。要注意です。

●国道4号昭和通り 上野駅前交差点(台東区)

 新橋、銀座、秋葉原を抜ける昭和通りは、そのまま国道4号となって東北へと通じる大動脈です。この昭和通りの都心側は交差点ごとのアンダーパスが続き合分流に気を使いますが、最大の“初見殺しポイント”は、内回り(北行き)の上野駅前、複数の信号が続く巨大な交差点です。

 ここはなんと、片側3車線(路上駐車が多く、実質的には片側2車線)のうち、右側車線がそのまま浅草通り方向への右折レーンになってしまいます。

 交差点の150m手前には行き先を矢印で示した青看板が表示されますが、その時点では右折専用レーンの案内はなく、手前の信号の直前になって「三ノ輪・春日部」「浅草」との路面表示が行われます。ただ、この時点で路面の矢印はどちらも直進を示すままで、東京の地名に慣れていない人は「浅草が右折」と理解するのは困難でしょう。

 さらに連続する交差点に入ってからは、左側車線が渋滞気味になっていることも多く、車線変更には気を使います。そして車線変更が遅れると、区分線は非情の黄色い実線(車線変更禁止)に。しかもここでは警察官が頻繁に取締りを行っているのです。

 できれば中央車線、左車線にもっとわかりやすく「国道4号 草加・越谷方面」といった表示がほしいところです。

矢印信号が出てるのに「進めない!?」

●都道450号新荒川葛西堤防線 本木一丁目交差点(足立区)

 首都高C2中央環状線は、小菅JCT以北で荒川左岸沿いの高架を進み、そのままS1川口線となって東北道へ通じています。この荒川左岸沿いの高架下には、都道450号が片側2車線を基本に整備されています。

 ところがこの都道450号は、ところどころで右車線が右折専用レーンになったり、首都高の入口になったりして、気の抜けない道路としても知られています。そしてとくに“ヤバい”のが、西行きの「本木一丁目」交差点です。

 この交差点部分の道路は片側2車線が確保されていますが、右側車線は「右折・直進レーン」となっており、かつ信号のパターンは「直進矢印」「右折矢印」の組み合わせなのです。

 そのため右側車線の先頭に右折車がいるとき、直進したい後続車は左側車線を走るクルマの切れ目での車線変更が求められますが、ここはそもそもクルマの流れが早く、ゼロ発進での車線変更は難しいものがあります。

 そしてそのまま信号が右折矢印になったとき、先頭の右折車の後ろに直進車が残ったままだと、進めるのは先頭の右折車だけで、3台目以降に並ぶ右折車は「右折矢印が出ているのに進めない」ということに。さらにそうした状況で取り残された右折車の後ろに直進したいクルマが付いてしまうと、今度はつぎの信号で「直進矢印が出ているのに進めない」ことになるのです。

 都道450号を走るときは、左側車線を基本とし、交差点手前では他車の動きに注意しましょう。

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 ここに挙げたのはごくわずかな例で、東京都内にはわかりにくい交差点がほかにもあります。

 こうした交差点でもし間違えた車線に入ってしまっても、とりあえずそのまま進み、大回りになってもあらためて目的地を目指しましょう。あわてての車線変更や急ブレーキは事故のもとです。