いまや全国でも新潟県と愛知県にしか残っていない三菱「GTO」の白黒パトカーですが、前者の車体はさらに希少なフェンダーミラー仕様でした。2024年で配備から30年を迎えた激レア警察車両を取材してきました。

新潟県警の視閲式で元気に疾走

 新潟県警察の視閲式が2024年6月8日(土)に新潟市の県庁構内において開催されました。式典では県警本部長や県知事らの前を、機動隊員や制服警察官などとともに各種車両がパレードしましたが、実はその中に新潟県警にしかないパトカーが含まれていました。それが三菱「GTO」の交通取締用パトカーです。

 GTOは、三菱自動車が1990(平成2)年から2001(平成13)年まで販売していた大型クーペです。車両重量は約1.6tから1.7tあり、全長4.59m、全幅1.84mという当時としては大きめのボディに排気量3000ccのV型6気筒エンジンを搭載、上位グレードはツインターボも備えていました。

 パトカー仕様としては、リトラクタブルヘッドライト(格納式前照灯)装備の前期型、固定式ヘッドライトになった中期型、クロム(銀)メッキホイール装備の後期型、それぞれが複数台ずつ導入されており、北海道警や警視庁、宮城県警、栃木県警、埼玉県警、静岡県警、大阪府警、奈良県警などでも使用されていたそう。

 そのなかで、新潟県警の「GTO」は中期型にあたり、固定式ヘッドライトではあるもののサイドミラーはドア前端に付く、いわゆるドアミラー仕様ではなく、前輪上部のボンネット部分から支柱が伸びる「フェンダーミラー」なのが特徴です。
 
 また、上部の赤色回転灯も、1990年代半ばに運用を開始した車体ゆえにV字形状のブーメラン型のものではなく、ひと昔前の横筒一本形状のバー型を搭載しています。

愛知県警のGTOパトカーより長生き

 新潟県警のGTOは、1994(平成6)年度に配備された車両で、運用開始から今年でちょうど30年を迎えます。
 
 2024年現在の配備先は交通機動隊ですが、4ドアのクラウンなどと比べると使い勝手に劣るため、現場の隊員のハナシではもっぱらイベント用になっているとか。そのため、車歴の長さとは裏腹に、走行距離は短く、前述の視閲式時点で約5万6500kmでした。

ただ、広報専用車になったわけでもないため、ルーフ後方上面には3桁の数字からなる対空表示が健在で、車内にも「ストップメーター(速度記録装置)」や無線機、拡声器などが搭載されています。

 なお、セダンよりも車高が低く精悍なスタイリングゆえに、パトカーとしての注目度合いはクラウンの比ではありません。実際、冒頭に記した6月8日の新潟県警察の視閲式でも、式典終了後に警察車両の見学ができるよう「ふれあい広場」が開設されていましたが、展示されるや否や、記念撮影を希望する来場者で長蛇の列ができていました。

 ちなみに、三菱GTOのパトカーは、新潟県警以外に愛知県警も現役ですが、こちらは後期型のためドアミラー仕様で、ホイールもクロム(銀)メッキが施された派手なもの。サイズも新潟県警の中期型だと17インチなのに対して、愛知県警の後期型では18インチに大きくなっています。
 
 それ以外にも、上部の赤色回転灯や後部のスポイラー形状などに違いを見ることができます。
 
 いまや「絶滅危惧種」といえそうな、30年前のフェンダーミラー仕様のパトカー。一部情報によると、もう替えのきかない部品もあるとのことなので、交通安全のシンボルとして大過なく走り続けてもらいたいと、実車を見て改めて感じました。