国交省は、未着工となっている敦賀〜新大阪間について、「米原ルート」に関する見解を明らかにしました。すでに合意済みの小浜・京都ルートに対し、一部で再考を求める声も上がっている米原ルートですが、課題があるようです。

着工に向けた調査が続く敦賀〜新大阪間

 国土交通省鉄道局は2024年6月19日、未着工となっている北陸新幹線の敦賀〜新大阪間について、「米原ルート」に関する見解を明らかにしました。一部で再考の声も上がっている米原ルートですが、課題があることを説明しています。

 北陸新幹線の未着工区間(敦賀〜新大阪)をめぐっては、「小浜・舞鶴・京都ルート」「小浜・京都ルート」「米原ルート」の3ルートで調査検討が行われました。その結果、2016年に与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームは「小浜・京都ルート」に決定。京都〜新大阪間に関しては、2017年に松井山手(京田辺市)付近を経由する「南回りルート」に決まっています。
 
 ただ、敦賀以西は環境影響評価手続きの遅れなどにより、着工の目途が立っていません。関西から北陸へ向かう際は、敦賀駅で在来線特急から新幹線に乗り継ぐ形が当面続く見通しです。そのため、建設する距離が「小浜・京都ルート」より短くてすむ「米原ルート」を推す声が、一部自治体などから再びあがり始めています。

「米原ルート」何がダメ?

 国交省は「米原ルート」に関して、東海道新幹線への乗り入れや利便性などに課題があるほか、福井県や滋賀県、JR西日本が「小浜・京都ルート」での早期整備を求めていると指摘。また、「小浜・京都ルート」で2019年から実施されてきた環境影響評価手続きをやり直す必要があるとの見解を示しました。
 
 東海道新幹線の乗り入れに関しては、列車の容量が引き続き逼迫しており、運行管理システムや脱線逸脱防止対策の方式も異なることが課題だそうです。
 
 東北・上越・北陸新幹線系統は、路線分岐を想定した運行管理システム「COSMOS」が採用されているのに対し、東海道新幹線は単一路線を想定した「COMTRAC」となっており、システムや車両を改修する必要があるといいます。
 
「米原ルート」の場合、米原駅で引き続き乗り換えが発生し、所要時間や運賃・料金も「小浜・京都ルート」より増加するなど、利用者にもデメリットが発生するとのこと。北陸新幹線は、災害時に東海道新幹線を代替する役割が期待されるとしており、東海道新幹線と線路を共用しない「小浜・京都ルート」の方が、その観点でも優位です。

 鉄道・運輸機構は敦賀〜新大阪の着工に向け、これまで工事実施計画の認可後に行っていた調査も含め、施工上の課題を解決するための調査を先行的・集中的に実施しています。今年度も国土交通省・鉄道局と連携して調査の深度化を図る方針です。