気になる話題のその後を追跡する「ソノアト」。今回は存続の危機に立っていた名門野球部のソノアトです。夏の高校野球の地方大会に第1回から出場を続けているいわゆる「皆勤校」の一つが島根県松江市にある松江北高校野球部です。創部130年以上の歴史がありますが、2023年の秋の大会では、部員不足により他の高校との合同チームで参加しました。新年度を迎え、公式戦に単独チームで出場できるほど新入部員が集まったのでしょうか。

2023年の秋の高校野球島根県大会。ベンチには3つのユニフォームの選手たち。江津高校と浜田水産高校それに松江北高校の合同チームです。
松江北は、2023年夏の大会後、3年生が引退すると部員は5人に。単独チームでの出場は叶わず、合同チームで大会に出場しました。

松江北高校野球部・濱崎向陽さん
「自分たちの姿を見て、来年たくさん新入部員が入って、単独チームで出られたら一番いい」

夏の大会では、第1回から単独チームで参加している「皆勤校」の松江北。創部130年の伝統は守られるのでしょうか。

新年度を迎えた松江北高校のグラウンド。野球部が練習をしていますが、北高のユニフォームではない部員の姿も。違うユニフォームを着ているのは実は新入部員。
新年度に入り新1年生8人が入部。5人だった部員は、公式戦に単独チームで出場が可能な13人になりました。

松江北高校野球部・濱崎向陽新キャプテン
「本当にまずは嬉しいというのが一番の感想で、実戦練習など練習の幅も広がって本当に改めて野球の楽しさというのを実感しています」

松江北高校野球部は、1893年に創部。夏の地方大会に第1回から欠かさず出場しているいわゆる「皆勤校」の一つです。近年では、2002年春のセンバツ大会に「21世紀枠」として出場。その後は甲子園から遠ざかっているものの、県内随一の歴史と伝統を誇ります。
しかし2023年の夏の大会後、当時の3年生が引退し、部員不足で存続が危ぶまれた名門野球部。それでもその伝統を守ろうと、監督やキャプテンが主導し、部員集めのためにSNSで活動をアピール。マネージャーや部員たちの熱心な勧誘活動が実りました。
この日は、春の大会を前に実戦形式の練習。人数が増えたことで試合を想定した練習をすることができるようになりました。

松江北高校野球部・西尾大樹監督
「本当にやはり野球は人がいてこそ初めて成り立つということが自分たちもわかって、こういうふうに1年生が入部し、単独出場できるようになってくれたので、いい雄姿を見ていただけると思っています」

新入部員・松浦峻弥さん
「人数が少なかったので、1年生から試合に出られて経験が積めるので良いかな思ったので決めました」

新入部員・平井央登さん
「まずはやはりレギュラーになって、しっかり試合で活躍して、チームのために貢献して、あわよくば県大会優勝をめざしたい」

そして19日の春季大会…新チームになって初の公式戦です。しかしまだまだチームは発展途上。連携不足も目立ち、エラーが重なります。それでも単独チームでできる喜びを噛みしめながらプレーします。結果は0−8で三刀屋高校に敗れました。

松江北高校野球部・西尾大樹監督
「やはり単独で出場できるということは、みなさんの応援をまた松江北高校という名のもとで受けられるということで、1年生に感謝です」

松江北高校野球部・濱崎向陽新キャプテン
「単独で試合に出られて良かった。きょうの悔しさを忘れずに一つずつ課題を潰していって、夏の大会にはもっと成長した姿を見せられるように頑張っていきたい」

130年以上の歴史を持つ名門野球部。これからもその伝統は受け継がれていきます。