2023−24シーズンの島根スサノオマジックは西地区4位となり、3年連続のチャンピオンシップ進出を逃して戦いを終えた。シーズンを締めくくるファン感謝祭が行われた11日に会見が開かれ、出席したポール・ヘナレHC、安藤誓哉主将、ニック・ケイ選手、白濱僚祐選手の4人が語った心境を前編・後編に分け紹介する。

QBリーグのレベルについて

安藤誓哉選手:
初年度から比べると、特に外国籍選手のレベルが、フィジカルもアスレチックさも格段に上がってきています。そして3シーズン前に僕たちが「バズソー」と言っていた激しいディエンスから走るというのが、もうどのチームも主流になってきています。そして戦術もかなり高度になってきているので、やはりレベルが上がってきていると思います。

ポール・ヘナレHC:
リーグのレベル、選手のレベルももちろんですが、コーチングのレベルも高まっています。私が来日をしてからもプレーの強度が変わってきていますし、昨シーズンと今シーズンの順位表を見比べた時にも、大きな違いがあります。以前であれば、プレーオフに進出するようなチームと下位のチームとでは大きな差がありました。ただ今シーズンはワイルドカード争いも熾烈なものになり、本当に拮抗した状態で全チームが戦っていました。我々としては、今シーズン西地区4位に終わってしまいました。我々も選手たちも自分にかけられた期待を下回ってしまったと思っています。

Q:今シーズン、選手がケガに苦しんだことについて

ニック・ケイ選手:
スポーツにはけががつきものだと思っているので、けがをしたからと言って負けるということは許されないと思っています。コートに立つ以上は、毎試合勝てると思っていました。我々はけがに関係なく、勝利するため臨んでいますので、そのメンタリティーで挑戦していきます。

ポール・ヘナレHC:
負傷者が多いとリズムが狂ってしまうことはあるかもしれませんが、逆に他の選手たちがステップアップできる良い機会だと思っています。そこで調整しながら、勝利できるように努めるのが、我々の仕事だと思っています。ニック選手が言ったようにケガというのはスポーツには付き物ですので、そこは関係なく勝つために臨んでいます。

安藤 誓哉選手:
終わってみれば、そういう(けが人が相次いだことが成績低迷の要因)見方も
できると思いますけど、シーズン中にそれを言い訳にしたことは僕は1度もないです。

白濱 僚祐選手:
みんなが言うように、けがは絶対あることだし、その中で僕ら1人1人1人がその穴を埋めるというか、補うためにステップアップすることが大事だったと思います。そういう意味では、今シーズンそういうチャレンジができる機会っていうのがたくさんあったので、誓哉が言うように結果的にはそう思われてしまうかもしれないけれど、プラスに捉えることもできるとは思います。

今シーズン津山尚大選手が60試合全てに出場し、攻守ともにチームに貢献。島根で全試合に出場したのは、ケイ選手、晴山選手の3人のみだった。1試合の平均得点は6.7点で、『ビッグ3』と呼ばれるビュフォード選手、安藤選手、ケイ選手の3人に次ぐチーム内4位。16試合で二桁得点を記録し、シーズン中には「誓哉さんにもペリンにもビッグ3だけでは勝てないと言われている。自分がビッグ4の一角となれるよう向上していきたい」というコメントも残している。
その津山選手の評価は?

安藤誓哉選手:
同じ選手の立場なので、評価というのはあまり好きではないですけど、本当に日頃からチームに貢献したい、なんとかしたいという姿勢が見られた。
「ビッグ4」ではなくて、ぜひ僕を超えるぐらいを目指して頑張ってほしいです。

ポール・ヘナレHC:
まず「ビッグ3」については、私はそれを一度も思ったことがありません。世間あるいはマスコミが「ビッグ3」という表現を使っていると思いますが、私としては、「ビッグ12」と考えています。それは私にとって、やはり12人の選手が必要だからです。もちろん選手によって実力もあるので出場時間が変動するところもあるし、起用方法は異なります。それでも1人1人が自分に課せられた役割を全うした時に、我々は強豪チームになれると思っています。
その上で津山選手は、今シーズンを通して、潜在能力を皆さんにお見せしたと思います。もし課題があるとすれば、それを継続的にできることが1番重要だと思っています。例えばどの試合でも、どの相手に対しても、持続的にすることができれば、彼個人がさらなる成長を遂げるだけではなく、我々チームとしても飛躍的な成長ができると思っています。

Q 今シーズン全体を振り返って

安藤誓哉選手:
今シーズンはタフな状況になりました。インタビューや会見でもかなり多くのことを喋ってきましたが、個人的には「出し切る」ことを毎試合、毎試合、毎日思ってきました。それでもこの結果ということに対しては、しっかりと自分自身で受け止めて、この夏もう一度しっかり準備したいという思いでいます。
ファンの皆さんには、特にホームゲームで毎試合、毎試合、真っ青に松江市総合体育館を埋めてくれたことに、感謝という言葉しかありません。ありがとうございました。

ニック・ケイ選手:
チャレンジが多かったシーズンという風に思っています。ただその中で学ぶべきことも多くありました。接戦を逃してしまうことも多かったので反省をしつつ、そこで得た学びからどのように強化していけるかを意識しながら、来シーズンをいいシーズンにできるよう邁進していきたいです。

白濱 僚祐選手:
今シーズンは厳しいシーズンだったと思うし、僕個人としても悔しいシーズンでした。でもこれが今の自分の実力であり、それをしっかりと受け止めて、これからどう成長していくか…チャレンジするしかない。こういうシーズンだったからこそ得られたものは色々あったと思います。こういうシーズンだったからこそ、チームメイトや、家族、ファンの皆さんの支えの大きさにも改めて気付きました。
皆さんのご声援が僕らの力になったなったと改めてすごく感じます。今シーズンありがとうございました。

ポール・ヘナレHC:
今シーズンは負傷者も多く、接戦を逃してしまうような場面も多い、非常に厳しいシーズンでした。我々としては、これからチームとして、組織として向上しなければいけない部分があります。
また多くのお客さんにお越し頂き、大きな後押しをしてもらいました。いただいた勢いを止めることなく、チームとして前進していきたいと思っています。