福島県内の男性の育休の取得率は、県のおととしの調査で5人に1人となっています。こうした中、いわき市にある、男性の育休取得率が100%という会社を訪ねました。

いわき市小名浜の建設会社「福浜大一建設」では、2016年から22年まで、対象となる男性社員7人全員が育児休業を取得しています。

福浜大一建設・遠藤順一総務部長「育児休業を取ることが今は当たり前に社内ではなってきている」

また、去年12月には、従業員の子育て支援に積極的に取り組んでいる企業「くるみん認定企業」に認定されました。認定マークの「くるみん」は職場「ぐるみ」で仕事と子育ての両立に取り組もうという意味があります。きっかけは、少子化の中、良い人材を確保したいという思いでした。

遠藤総務部長「良い人材を確保して、その人に長く会社で勤めてもらいたい。何事も心配なく、家庭的な不安を少しでも取り除いてあげたい」

このため、まず決めたのは「最低でも14日間以上育休を取る」という目標です。

遠藤総務部長「外部から講師を招いて研修をしたり、何人か外部の研修を受けに行ったりしてきました」

従業員とは、積極的な話し合いの場を設けています。

遠藤総務部長「いつの時期に育児休業が取れるか、本人がいつ頃取りたいかを調整しながら事前に相談しながら進めています」

現在、工事現場で働く伊藤裕貴さんは、2回、育休を取得しました。

伊藤裕貴さん「生まれてから子どもが病気しがちだったので、大変助かる制度だなと感じた」

最初は不安があったといいますが、「職場の理解」で助けられました。

伊藤さん「部門長にも確認を取って相談したところ、気にしなくて大丈夫だよということで、実際に復帰したあとも上司や同僚のフォローがあり、滞りなく業務は行えたと思います」

今後の課題は、子どもの成長過程でのバックアップ。福浜大一建設では、学校行事や子どもが病気になった時などに対応する新しい制度を考えているということです。